虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
評価 : (5.0点)

これはヤバいね!!!!!

一気に読み込んでしまった。

タイトルがおぞましい印象だったけど、読んでみて思ったのは「何てロマンチックなんだ!」って予想外の読了感。
まあ、小説の中で残酷な描写がいっぱいなのでこれをロマンチックと言うのは間違っているのかも知れないけど、この小説の世界感が繊細なのに広くて、その探求というべきか、冒険と言えばポジティブ過ぎるか、現実を直視する著者の鋭さや、膨大な知識のバックグラウンドが織り交ぜあっていて、うまく言葉で表現できないけど終始飽きなかった。
あと、あくまでフィクションとしての近未来の話だけれど、著者が書いている内容が現在に当てはまっているようなこともあってそれには驚かされるばかり。

軍事もの好きな人ならハマりそう。人が死んでいる、殺されていく話がダメな人は絶対NG。

とにかく伊藤計劃氏が亡くなっているということが悔やまれてならないくらい面白かった一冊。


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