クルクルくりん 1 (トクマコミックス)
評価 : (3.0点)

1983年から少年チャンピオンで連載されていた漫画が、1990年に徳間書店から新装版として全5巻で発売されたもの。ドラマ化もされたらしい。ブックオフで5巻セットで500円だったので購入。

主人公の松本イオが、中学に入学した際に一人の少女(東森くりん)に出会う。くりんは、幼少の頃の事故(父親が開発したスーパーコンピューターがどうたらこうたら)により、複数の人格をその内面に宿していた。小学生時代までは表出することのなかったそれらの人格が、とある事件(主人公)とキスのショックにより目覚めてしまう。それ以降、ふとした弾みで別人になってしまうくりん。もとの人格に戻すには、主人公がキスをするしかないのだ!

という基本ギャグ、ちょいお色気の少年向けパンチラおっぱい漫画。

ストーリーは今となってはどこかで見た感じ。とり・みきさんの作品でお馴染みのパロディが数多くちりばめられているが、その時代性ゆえ私には分からない。
そんな訳で内容的にはピンとこない漫画なのだが、3巻に鹿野司さんがあとがきを書いていたり、4巻にはゆうきまさみさんとの対談が載っていたり、5巻には永野のりこの「GOD SAVE THE すげこまくん!」の名前の由来になったという「すけこまくん」が収録されていたりと、おまけ要素が面白い。
特にゆうき先生との対談では、ゆうき先生が下北沢のクリエイター事務所「パラレルクリエーション」でとり先生と出会った当時の話やアシスタント時代の話がされており、興味深い。
当時パラレルクリエーションは、とり先生、ゆうき先生の他、出渕裕さんや火浦功さん等、若手クリエイターの魔窟のようになっていたらしい。その頃の出会いが傑作「機動警察パトレイバー」へと繋がるわけだ。
とり先生とゆうき先生との交遊は色々な作品の中で楽屋ネタとして出てくるが、みんなして「原田知世はいい!」なんて言っている限りなく童貞的な世界は、いつ聞いても熱気が伝わってきて良いと思う。
願わくば島本先生の「アオイホノオ」みたいに、当時のエピソードを半ば伝記的にまとめて欲しいものだ。

でも2人とも恥ずかしがりそうだから、当分はダメなんだろうなー。。。


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