異形の王権 (平凡社ライブラリー)
評価 : (4.0点)

 洛中洛外屏風などをみると、群衆の中に不思議な格好をした人がいる。高ゲタを履いた人、頭巾を被った人、坊主頭の人、獣の皮をまとった人などなど。そういう人たちは一体何を生業とし、社会のシステムにどのように組み込まれていたのか?
 網野善彦の歴史観に出会って、権力者の歴史から外れた歴史の存在を知った。絵の中のちょっとした手掛かりを起点に、いまでは失われたり意味が変化して行った行動や生活、風俗が明らかになっていく。そういうことを知るのが快感。
 この本では、南北朝時代の異形の人達のことが書いてある。あと、京極夏彦の狂骨の夢に出てきた、立川流もちょっと出てきているよ。


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