俳句いきなり入門 (NHK出版新書 383)
評価 : (3.0点)

そのスタンスに価値がある - 俳句いきなり入門 / 千野帽子

異色の俳人、千野帽子さんの俳句入門書であり俳句論。
俳句関連の本は一冊も読んでないけど、これが異色の俳句論であることはなんとなくわかる。

何故なら「自分の頭で考えて納得したことだけ書かれている」から。

俳句に限らず入門書の多くは「セオリー」とか「不文律」に支配されている。
それが俳句のような伝統に根付いているものなら尚更そうだろう。

そういった入門書の常識を踏み外していることもあって、
結構批判を浴びたりしているのかもしれないし、
個人的にも疑問に思う意見はたくさんあったけど(そっちのほうが多い)、
読者に違和感を与えて、自分の頭で考えさせて、議論を生み出しているということに本書の最大の価値があると思う。

そしてその価値は明確なスタンスを取っているからこそ生まれたのではないかと。

ただ、ちょろっと触れたとおり内容は必ずしも同意できることばかりじゃない。
購入時に膝をうちまくる内容を勝手に期待していたので意外だった。

そのあたりの具体的な内容はいずれどこかで。


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