4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)
評価 : (5.0点)

昨年末から今年にかけ、サッカー観戦の集まりに参加する機会を
何度も頂き、今年はサッカーじゃ!と燃えていた時期に読んだの
が本書。

この本を読んでから7か月が経つが、予想以上の残業の日々で観
戦の機会がせいぜい2,3度しか取れず、本書から得た知見を活
かせる機会がないのは残念としかいいようがない。

だが、本書から得た知見は古びた訳ではなく、日本代表が4-2-3-1
の布陣に変えたことで、本書の分析が的を射ている証左になった
と思う。

サッカーの戦術面について多くを割いている本書だが、戦術、ひ
いては規律の重要性を強調し、そこからビジネスの話につなげる
といったつまらない内容ではない。サッカーのダイナミズム、華
麗な個人プレイと並び称されるべき布陣、戦術の魅力を、豊富な
試合例から解説している。

サッカーの布陣というとなんとなく4-3-3とか5-3-2とか、数字
だけが独り歩きしている印象が強いが、なぜそうでなければなら
ないのかを正確に語れる人は少ない。少なくとも本書を読むまで
の私はそうであった。

本書を読むと、なぜ一時代を築いたあのチームは強かったのか、
また、あの大会あの試合でジャイアントキリングがなぜ起きたの
か、について興味深い知見が得られるだろう。また、上に書いた
ことと矛盾するが、ビジネスや人生の上で組織を築く役割に就く
際にも本書は参考となると思われる。実際に本書を読んで少し後
に、総務部長として組織を作りあげる必要があったが本書から得
た知見も参考になった。

最近は時間がなくYouTubeやスポーツ番組でダイジェストを見る
だけの関わり合いに甘んじているが、布陣を理解するには一試合
通した観戦が必要であり、自分の人生を豊かにするためにも、観
戦の機会を作らねばとつくづく思う。

'12/03/27-12/03/28


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