酒とつまみの科学 天ぷら・寿司には白ワイン? チーズやキャビアに日本酒が合う? (サイエンス・アイ新書)
評価 : (5.0点)

2014/1/12に家族で上野の国立科学博物館を訪れた際、閉館間近
のミュージアムショップで本書の題名を見て購入した。酒飲みの
端くれとして、酒のつまみにはこだわってみたいと常々思ってい
たこともあり。

かつてホテルで配膳の仕事を経験していた。コース料理の配膳を
担当する際は、料理とドリンクのサービス順の意識は不可欠であ
る。魚料理の前には白ワイン、肉料理の前には赤ワイン、といっ
たところは無意識に沁みついている。

だが、それが果たしてどの程度裏付けのある話かとなると、途端
に怪しくなるのである。他のあらゆる思い込み知識と共に。

本書は多種多様な食材を紹介しつつ、それに合う酒の種類を考察
することを主眼としている。食材からの視点と、酒の種類からの
二方向で考察しているため、参照するには便利な構成である。例
えばウナギと赤ワイン。日本酒からはキャビア、ブランデーから
はチョコレートなど。多種多様な組み合わせが紹介されている。

組み合わせについても、味覚に左右されるような曖昧な書き方で
はなく、酒の香味成分とつまみの香味成分を掲示し、なぜその酒
がこのつまみに合うのかを科学的に記載している。といっても、
面倒な化学式が羅列されることはなく、あくまで名称としてであ
る。

本書で紹介されるお酒の紹介が、少し端折りすぎでは?と感じた
。どうやら姉妹編として、「うまい酒の科学」があり、酒の薀蓄
はそちらで語られているためではないかと想像する。機会があれ
ば合わせて読んでみたいと思う。

もちろん、食生活と酒生活を充実させる手助けとして、本書もた
びたび読み返すことになるであろう。

'14/01/12-14/01/14


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