悲しみを抱きしめて 御巣鷹・日航機墜落事故の30年 (講談社+α新書)
評価 : (4.5点)

「喪の悲しみ」で大切な人を喪った悲しみが癒えることはない、と書かれていたことを思い出しました。
悲しみを「乗り越えて」ではないんだな…。

やはり子どもを喪った母親の気持ちに深く共感するところがありました。三人の娘さんを亡くされた方の話では、涙が溢れなかなか読み進めることができませんでした。
事故後の過熱報道の中では、4人の生存者の方にスポットがあたることが多かったように覚えていますが、その陰に520人もの方々が亡くなり、その何倍もの遺族の方々の悲しみと苦しみがあの日から始まったことを改めて知りました。

その中でも、事故現場となった上野村の方々の善意が遺族の悲しみに寄り添っているということが、大きなヒントになっているような気がしました。「陰徳を積む」ことが単なる自己満足ではなく、誰かの大きな助けになるのだということを知り、私も何か始めなければ、と思わずにはいられません。

改めて、事故で亡くなられた方々のご冥福、そして残された遺族の方々の悲しみが少しでも和らげられることをお祈りしたいと思います。


参考になった人:0人   参考になった