オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)

つぶやき

読者から寄せられる人生相談の裏側を読み取り、どのような回答を出すのかまでのプロセスを公開した本。発想力を鍛えたい人にはお勧めの本。岡田斗司夫さんの本は、いつもクオリティが高いけれど、この本は特におすすめ。いっきに読んでしまいました。

評価・詳細レビュー

(5.0点)

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(5.0点)
朝日新聞の人生相談コーナー「悩みのるつぼ」の回答者で人気の高い岡田斗司夫さん。「どのような思考経路をたどってあの名回答に行き着いたのか、それが知りたい」という要望に応えて出版されました。この本には、論理的な思考とそれを超える発想法が分かりやすく書かれています。人生に悩みを抱えたときにどう考えれば解決の糸口が見えるのか、他人の悩みに対してどう関わったら本当に相手の役に立つことができるのか。だれの人生でもない自分の人生を生きるために役立つ考え方を知りたい人に薦めます。

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引用

大体の思考法は、何か問題があったら潜らずに、「じゃあ、どうしよう、こうしよう、こうしょう、こうしよう」と、上へ上へと積みあげていってしまうんです。
よくあるロジカル・シンキングとか問題解決法もみんなそうです。
何があれば、問題は解決するだろう。キャリアがあればいいんだ。どうやったらキャリアを伸ばせるだろうか。資格をとればいいんだ……と、「上へ上へ」の積み上げです。
〈中略〉
怪しげな奴に限って、すぐ効能を言い出す。
「すぐに痩せたいでしょう? それには秘密があります。どうすれば痩せるのか教えましょう」というふうに、痩せる方法ばっかり言うんです。
こういうのはダメ。役に立たない。
〈中略〉
どうすればいいのかなんて考えるのは、最後の最後。
というより底まで潜って「手がついた」ら、自然に解決法が浮かんできます。そういうふうに、自然に浮かんでくる解決法以外はすべて考えるに足りません。(p141-143)
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「強い意志があれば、自分の中で意思統一ができるはず」というのは幻想なんですよ。
もっと現実的に、リアルに自分を観測してみる。
ぼくらの心のモデルとして、自分の中に複数の自分がいる。で、その一人がたとえばしょっちゅう食べたがるとか、「決心」社長の監視を盗んで食べたがる。
「決心」社長の監視がゆるい時、つまり理性がフッとゆるんだ時に、こっそりとポテチの袋開けてパリパリパリパリ食べる。社長に見つかった瞬間に、「いえいえ」とか言って、あっという間に隠れるんですよ。
どうですか?みなさんが「自分の決心をつい破っちゃう時」って、こんな感じじゃないでしょうか?
同じように、何かルール違反をついついしちゃう人というのは、多分、そのルール違反を自分でやっている意識があまりないんですね。心の中に、「いや、それぐらいいいんじゃないか」という自分がいる。よく海外アニメに出てくる「頭の両側で天使と悪魔がささやく」、あれと同じです。
学級委員会と言ってもいいんですけれども、自分というのは所詮、統一がとれていない中小企業の社長にすぎない。
だから、自分が決心したからといって思い通りに何かできないのは当たり前。(p131-132)
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他人はともかく、自分ぐらいは思う通りに動かしたい。
「なんで自分は痩せたいと思っているのに食べてしまうんだろう」もそうですし、
「なんで自分は勉強しなきゃいけないと思っているのに遊んじゃうんだろう」、これも同じです。
でも、自分が自分の思い通りに動かないのは当たり前、と考えたほうが、おそらく解決法には近い。
これを理解するための思考ツールが“株式会社・自分”です。
自分を一つの統一された自我だと考えない。
思い通りに働いてくれない部下がいっぱいいる小さな会社というふうに考えるんです。(p130)
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