オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)
「強い意志があれば、自分の中で意思統一ができるはず」というのは幻想なんですよ。
もっと現実的に、リアルに自分を観測してみる。
ぼくらの心のモデルとして、自分の中に複数の自分がいる。で、その一人がたとえばしょっちゅう食べたがるとか、「決心」社長の監視を盗んで食べたがる。
「決心」社長の監視がゆるい時、つまり理性がフッとゆるんだ時に、こっそりとポテチの袋開けてパリパリパリパリ食べる。社長に見つかった瞬間に、「いえいえ」とか言って、あっという間に隠れるんですよ。
どうですか?みなさんが「自分の決心をつい破っちゃう時」って、こんな感じじゃないでしょうか?
同じように、何かルール違反をついついしちゃう人というのは、多分、そのルール違反を自分でやっている意識があまりないんですね。心の中に、「いや、それぐらいいいんじゃないか」という自分がいる。よく海外アニメに出てくる「頭の両側で天使と悪魔がささやく」、あれと同じです。
学級委員会と言ってもいいんですけれども、自分というのは所詮、統一がとれていない中小企業の社長にすぎない。
だから、自分が決心したからといって思い通りに何かできないのは当たり前。(p131-132)