エレンディラ (ちくま文庫)

(3.0点)

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(4.0点)
 訳者あとがきで、開高健がアマゾンで体長一メートル超のミミズを掘ってぶったまげたという話が出てくるが、これはさっきの『オーパ!』に写真つきで載っている。
 なぜこういう話がでてきたのかというと、ガルシア=マルケスの小説にはそういう日常的でない風景がたくさん出てくる、しかもいかにも日常的な描写として出てくるというので、なぜこんな描写ができるのか? という話からだ。「日常」とか「常識」というのは日本人から見たらそうだとしても、ラテンアメリカじゃふつうのことなんだ、という。
 テリー・イーグルトンは『イデオロギーとは何か?』で、「イデオロギーとは、強いていえば口臭のようなもので、他人だけがもっているものなのである」と言っている。「イデオロギー」自体をめぐる議論はこの本に譲るとして、ここに「日常」や「常識」をあてはめてもさほど違和感はない。その不可視の、自分では気がつかない口臭を描いてみせる手法はしばしば「魔術的リアリズム」とよばれる。
 一番最初の話が好きですね、『大きな翼のある、ひどく年取った男』。家のなかは水浸しで、たたき殺した蟹の死骸の山がある。なんだかよくわからないけど。
 ちなみに『百年の孤独』は持ってはいるが、まだ読んでない。

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