任天堂 “驚き”を生む方程式

娯楽産業は、高機能、高品質のモノをより安く作るための体質が優先されるハード産業とは違い、洗練されたソフトを生み出す体質、すなわち、ソフト体質が優先される、というのが山内の持論だ。 P236
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「いろいろなことを考え、調べていくと、どの角度から見てもゲームをする人が減っていた。子供達のゲーム参加率が減っているという意識は、そんなにない。だけど、ゲームを卒業するタイミングは早まっていた。それから、昔は、早く帰って家でゴロゴロする時間があったんですけど、そういう時間が世の中全体から失われていた。僕らがもっと素晴らしいゲームをと頑張った結果、時間やエネルギーをゲームに割けない人たちが『もういいや』と、静かに立ち去っていったのです。調べれば調べるほど、これは本当に深刻だと感じました」 P45
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「私たちのビジネスはソフトとハードが一体型のビジネスなんです。だからハードを知らずして、ソフトを語ることはできない。知った上でどこに主眼を置くか。つまり、例えて言えば、ソニーはハードが主、ソフトが従、そういう路線です。任天堂はその逆でソフトが主、ハードが従、しかし、任天堂はハードを分かっている。それはこれからも変わらないと確信しています。」 山内氏の発言より P238
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「もし、僕がハード体質の経営者だったら、任天堂という企業はおそらく今日までとてもこられなかった。DSが、Wiiがヒットした、かつてファミコンが大ヒットしたと人々に行ってもらえるのは、それは私たちがソフト体質だったからです。ハード体質の経営者がもし、いたとしたら、辞めてくれと言いますし、そうしないと任天堂という企業は潰れるんですよ。」 山内氏の発言より P237
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「いったい何を基準にして任天堂に必要な人を選ぶのかといえば、果たしてその人が、『ソフト体質』を持っているか否か。実際に接してみると、この人はハードの人、この人は体質的にソフトに順応できる人というのが分かってくるんですよ。僕自身がソフト体質な経営者だから、そういうことがわかるんじゃなかろうかと自分では思っているわけです」
山内はインタビューの中で、この「ソフト体質」という言葉を繰り返し、口にした。人選だけではない。山内の経営の全てが、このソフト体質という思想に基づいている。
P235
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開発と無償的にかかる膨大なコストを自社で負担するという経営判断について、岩田は当たり前のように、こう話す。
「当然だと思いますね。というか、任天堂でそのことを議論したときに、それはコストがかかりすぎるからやめろという議論は一度も出なかったですね。」 〜 Wiiリモコンジャケットの無償提供について P179
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しかも任天堂の開発費は、年々増加傾向になる。2007年度は370億円。本社の正社員全員に決裁権限があると仮定してその数で割ると、一人あたり約3500万円も使える計算になる。例えばキャノンの場合は同じ条件で、約1200万円。任天堂の約1/3だ。 P161
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宮本の飽くなき遊びへの探求心が成功を呼ぶという好事例だが、宮本の強さの秘訣は、それだけにとどまらない。岩田は宮本の強さの秘訣を、「肩越しの視線」と表現する。
ゲームを作り込んでる最中の宮本は、しばしば、社内の総務関連の部署などからゲームをやらない人を連れてきて、コントローラを握らせる。宮本は、そのプレイの動きを何も言わず後ろから見つめ、「あそこが難しいなぁ」とか「あの仕掛けに気づいてもらえなかった。分かりやすく変える必要があるな」などと、改善点を次々と浮き彫りにするのだ。宮本は言う。
「いつも、これからゲームに引き込もう、という人を相手に作っているので、今、ゲームに熱中している人の意見は当てにならないところがある」 P106
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岩田は語る。
「私は、ゲーム作りそのものに、奥深さ、凄みみたいなものを感じるんです。ある1つのゲームを組み立てるということは、操作と遊びの構造を一体化させながら、何かのテーマ、コンセプトを貫いて延々と試行錯誤を繰り返すと言うこと。膨大な可能性を追求して、極めるように収束させていく。そんな風に作られるものって、他にあまりないんじゃないかと感じるんです。」 P 89
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「子供がテレビゲームで遊んだ後、コントローラーが片付けられていないのを見て、お母さんがきーっとなっているとか、家には既に複数のゲーム機があって、お母さんはもう一台もいらないと思っているとか、とにかくゲーム機は邪魔に思われていたんです。だから、家族の誰からも嫌われないようにしないと、ゲーム人口の拡大なんかできっこないというのが、まずありました」 P56
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「我々は声が大きくてゲームをいっぱい買ってくれる人の姿をつい見てしまう。そこに合わせたモノづくりをどんどんした結果、ゲームをやる人が減っているのではないか」
その気づきは、社長に就任した2002年頃、明確なものとなった。ゲーム産業に何が起きているのか、客観的に冷静に見極める作業を始めた岩田は、ゲーム離れが深刻な段階に来ているることを痛感したと語る。 P44
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