労働――働くことの自由と制度 (自由への問い 第6巻)
佐藤 ...コミュニケーションは主体の間で成立する出来事です。だから、そもそも個体化できない。かつての日本型の社会でも、そのことはかなり自明に理解されていた。
ところが、最近は「コミュニケーション能力」という言葉がさかんに言われます。コミュニケーションは本来、特定の誰かに固体化できないからこそコミュニケーションなのですが、それをあたかも個体の性能として特定できるかのように語る。コミュニケーション能力というのはそういう言葉です。
...(略)...ないものはないとして、扱うべきだった。