走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)
11月のニューヨークは実に魅力的な街だ。



空気は意を決したかのようにきりっと澄みわたり、セントラル・パークの樹木は黄金色に染まり始めている。

空はあくまで高く、高層ビルのガラスが太陽の光を豪勢に反射させている。

ブロックからブロックへと、限りなくどこまでも歩いていけそうな気がする。

バーグドーフ・グッドマンのウィンドウには上品なカシミアのコートが飾られ、街角にはプレッツェルを焼く香ばしい匂いが漂っている。