マフィアとルアー (星海社文庫)
評価・詳細レビュー
feiz
71 册
|
3 件
|
3 件
(5.0点)
ダメな男と変な女のどこか倒錯的な恋愛を描いた短編集。
TAGRO作品全般にあるもんよりと鬱屈した感じが凝縮されたような話ばかりだが、なぜか読後感はそんなにもんより感がなく、不思議な気分になる。
ドントラや変ゼミの田口と蒔子のような話に惹かれて読み始めた人には是非ともお勧めしたい一冊。
TAGRO作品全般にあるもんよりと鬱屈した感じが凝縮されたような話ばかりだが、なぜか読後感はそんなにもんより感がなく、不思議な気分になる。
ドントラや変ゼミの田口と蒔子のような話に惹かれて読み始めた人には是非ともお勧めしたい一冊。
引用
TAGROにとって過去は人間の性向を形作ることがあっても、遡ってその芽を摘むような対象ではないのである。
むしろ物語の関心は過去から導き出された現在をいかに生きるか、過去との間にどのような関係を保って歩むのかということだけを主題に選ぼうとするのだ。
そういう意味でこの本に、ダメだった自分の過去を露悪的に語って見せるような自己憐憫はほとんどない。「R.P.E」においてはわかりやすく、「自分はダメだ」ということをアピールするという意味ですら自分はダメで、そこから脱却しなくてはならないということが既に理解のうちにある。
むしろ物語の関心は過去から導き出された現在をいかに生きるか、過去との間にどのような関係を保って歩むのかということだけを主題に選ぼうとするのだ。
そういう意味でこの本に、ダメだった自分の過去を露悪的に語って見せるような自己憐憫はほとんどない。「R.P.E」においてはわかりやすく、「自分はダメだ」ということをアピールするという意味ですら自分はダメで、そこから脱却しなくてはならないということが既に理解のうちにある。
"……今オレどんな顔してた?"
"嬉しそうな顔してました"
"嬉しそうな顔してました"
別かれた彼女がまた別れたと友達から聞いたのは随分前の話だ
まるで遠い外国のニュースを聴くポーズのまま でも耳の後ろはひどく熱かった
手の届く場所に檻の鍵が落ちているのを見つけた囚人の気分だった
そして囚人のしようとしている事を見守っている看守はまた自分自身だった
まるで遠い外国のニュースを聴くポーズのまま でも耳の後ろはひどく熱かった
手の届く場所に檻の鍵が落ちているのを見つけた囚人の気分だった
そして囚人のしようとしている事を見守っている看守はまた自分自身だった
タグを入れることで、書籍管理ページで、タグ毎に書籍を表示することが出来るようになります。
また、スペース区切りで入力することで1つの書籍に複数のタグをつけることもできます。
※注意: このタグはあなたの管理用だけでなく、書籍自体のタグとしても登録されます。あなた以外の人に見られても問題ないタグをつけてください。
また、スペース区切りで入力することで1つの書籍に複数のタグをつけることもできます。
※注意: このタグはあなたの管理用だけでなく、書籍自体のタグとしても登録されます。あなた以外の人に見られても問題ないタグをつけてください。
友人に本をおすすめする
相互フォローしている友人がまだいません。