ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう (講談社現代新書)

著者
出版者
講談社
価格
¥777
多層的な神経ネットワークとしての脳。そして、一つの脳から始まり、家族、地域、職場、国といった多層的なネットワークとして構成される社会。この身体を境界としてつながる二つの異質の階層性ネットワークが、わたしたちが暮らしている社会なのです。(58)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
わたしたちはじつは、自分たちで考えている以上に行動の選択肢の少ない環境に生きているということを覚えていてください。そして、そのことには、おそらく意味があるのです。(51)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
わたしたちの脳は、認知コストバランスと社会的制約の両方からの制約を積極的に受けとることで、わざと自由度を残していないとのかもしれません。エネルギー効率という点で見れば、制約に従う生き方は脳のリソーズをほとんど使わない最適な生き方だからです。
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
行動の社会的な意味を決めるのは行動している僕たちではなく、それを見る他人である。わたしたちの行動の評価は、どこまで注意深く未来を読んでも、結局のところ最終的に相手がわたしたちのふるまいをどのように感じるかに依存するという特徴があります。(39)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
今の仕事や状態も、何らかの人間関係の結果です。たいていの人には家族がいて、その最小単位の社会を抱えながら生きています。つまり、自分が望もうと望まなかろうと、他者との関係性をの中につながれたまま、わたしたちの人生は進まざるをえません。(32)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
そのような方法は、過去の進化的資産を活かしつつ新しいものを構築するためには最適なのでしょう。

一方、そのおかげで、脳は、たくさんの過去のしがらみを捨てきれないシステムという負の遺産を抱えてもいます。(23)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
新しいものを作るより、すでにあるものの数を増やして新しい機能とスケーラビリティを確保するという脳の進化的解決方法は、脳の進化だけでなく、ヒト社会の発展とも非常に似た解決方法です。(23)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
「カラム構造を基本ユニットとして採用することで脳はスケーラビリティを確保した」

スケーラビリティとは、基本ユニットを足したり引いたりすることで、システムのサイズやリソース配分を容易に変更できる性質という意味です。(22)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
このような拡張の仕方は、わたしたちの脳が進化の過程で、とりあえずありものを何とか工夫して新しい能力を獲得しようとした苦闘の跡を物語っています。現実に高い知性を持つ生き物であるほど、脳の容積は増え、しわの数も増えています。(22)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
優秀な人が100人いる組織より、普通の人が1000人いる組織のほうが、さまざまな状況に対応できますし、部分としての機能は多少劣っても、全体としての生産性は高く、組織としてロバスト(頑健)です。

脳のとった戦略は、わたしたちの社会の拡張の仕方と同じように、人を増やす、つまりカラムを増やすために、皮質の層状構造を保ちつつ、しわをつくって横方向に表面積を拡張することだったようです。(22)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
カラムは、もともと汎用性を持つ機能的単位あったものが、進化もしくは発達過程で、必要に応じて最適化されることで異なる機能を持つようになった、と考えてよろしいようです。

ちょうどわたしたちヒトが、その適性に合わせて仕事を与えられれば、いろいろな職場環境に適応してとりあえず問題なく働くことができるような汎用性を持っているように、カラムも適切な情報の入出力を設定してやれば、いろいろな機能を実現できる汎用性を持っていると考えられています。(20)
お気に入りにいれた人:0人   お気に入りに追加する
ウィッシュリストへ追加
非公開
タグ

メモ


ライブラリへ追加
非公開
評価
 
読書ステータス
つぶやく
タグ

メモ


タグを入れることで、書籍管理ページで、タグ毎に書籍を表示することが出来るようになります。
また、スペース区切りで入力することで1つの書籍に複数のタグをつけることもできます。

※注意: このタグはあなたの管理用だけでなく、書籍自体のタグとしても登録されます。あなた以外の人に見られても問題ないタグをつけてください。
ウィッシュリストからライブラリへ移動
評価
 
読書ステータス
つぶやく