晴天の迷いクジラ

著者
出版者
新潮社
価格
¥1,575
(4.0点)
田舎が都会に比べ天気がよいわけじゃない。人もよいわけじゃない。でも、確かに弱き者への接し方はずいぶんと違う。それは人口の差なのか、寄せ集めの集団としての帰属意識の薄さからのか、ずーっと田舎で生きてきた自分にはよくわからない。そしてこの田舎の窮屈さは・・・土地の広さや空の広さとは正反対に・・・脅迫感は都会よりずっと強い気がする
都会での。一人暮らしの寂しさに耐えられず田舎に帰ってみても。そこには窮屈な寂しさだけがあって、みんな気づかないのだ。ヨソには今よりいい所がアルのかも知れないけれど、そう思って今の場所に暮らすことの方がどれだけ安全であるか。いつかたどり着けるところは、ずーっと胸のうちにもっておくだけでいいのだ

誰も、皆、それぞれの場所で、その居場所での事情を持って、バラバラながらも懸命生きている。生きていく理由や目的なんて一人でどれだけ考えてみても、今、自分のソバにいる誰かさんからの一声でふっとんじゃうんだ。その人の声がアナタの居場所を確固たる場所とする。だから生きてるだけでいいんだ、生きてるだけで、いきてるだけで、、、

クジラの鳴き声と同時にちょっと泣きそうになったぜ

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