日本美術の歴史

(……)わたしは日本美術の国粋主義的な見方には与せず、”いかなる国家や民族の美術も孤立した現象ではありえない”とフェノロサが、かれの本の冒頭でいっていることの意味を重視する。しかし美術はどこへいっても同じ顔つきをしているわけではない。あたかも気流のように、国境などおかまいなく動き流れ、伝播と交流をくりかえしながら、それぞれの地域の特性に応じて、特有の表情をつくりだすのだ。-まえがきp.ⅱ~ⅲ-
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