グロービスMBA事業開発マネジメント
つぶやき
引用
P.48
ビジョンとは、「創業者や経営者が考える企業の理想の姿」、平たく言えば「将来的にどんな企業になりたいかを言葉で表したもの」だ。
ビジネスモデルが比較的短期的な「儲ける仕組み」を表すのに対し、ビジョンは組織として到達したい具体的なゴールを示す。「○○年には、アジアナンバーワンの△△企業となる」「××年後には、売上高□□円を実現し、同時に業界最高の顧客満足を獲得する」といったものである。
ここからもわかるように、ビジョンは、経営理念のように創業から一貫して流れている哲学や価値観とも異なる。ビジョンはその次代に合わせて変化していく、より具体的な目標であり、第 2 章で解説する戦略とも強い関係を持つ。
例えば小田急は、「小田急グループは、お客様の『かけがえのない時間(とき)』と『ゆたかなくらし』の実現に貢献します」との経営理念の下、グループとしてのあるべき将来像や各社の使命・役割を示したグループの事業ビジョン「Value Up 小田急」を策定している。
ビジョンとは、「創業者や経営者が考える企業の理想の姿」、平たく言えば「将来的にどんな企業になりたいかを言葉で表したもの」だ。
ビジネスモデルが比較的短期的な「儲ける仕組み」を表すのに対し、ビジョンは組織として到達したい具体的なゴールを示す。「○○年には、アジアナンバーワンの△△企業となる」「××年後には、売上高□□円を実現し、同時に業界最高の顧客満足を獲得する」といったものである。
ここからもわかるように、ビジョンは、経営理念のように創業から一貫して流れている哲学や価値観とも異なる。ビジョンはその次代に合わせて変化していく、より具体的な目標であり、第 2 章で解説する戦略とも強い関係を持つ。
例えば小田急は、「小田急グループは、お客様の『かけがえのない時間(とき)』と『ゆたかなくらし』の実現に貢献します」との経営理念の下、グループとしてのあるべき将来像や各社の使命・役割を示したグループの事業ビジョン「Value Up 小田急」を策定している。
P.34
創造的な事業アイデアは、物事を粘り強く、深く考える中から生まれてくるものだ。粘り強く深く考えるからこそ、"新しい事実" とそれまでに考えてきたことが化学反応を起こし、誰も思いつかなかったようなアイデアが生まれるとも言える。
新たなビジネスを立ち上げ、成功した人たちに共通しているのは、「その分野について、最も深く、最もしつこく考えた」ということであると言っても過言ではない。「考え抜く」姿勢が不可欠なのである。
カギとなるのは、「だから何が言えるか(So What?)」と「ほかにはないか」の質問を繰り返すことである。
創造的な事業アイデアは、物事を粘り強く、深く考える中から生まれてくるものだ。粘り強く深く考えるからこそ、"新しい事実" とそれまでに考えてきたことが化学反応を起こし、誰も思いつかなかったようなアイデアが生まれるとも言える。
新たなビジネスを立ち上げ、成功した人たちに共通しているのは、「その分野について、最も深く、最もしつこく考えた」ということであると言っても過言ではない。「考え抜く」姿勢が不可欠なのである。
カギとなるのは、「だから何が言えるか(So What?)」と「ほかにはないか」の質問を繰り返すことである。
P.15
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、レンタルビデオショップのフランチャイズチェーン「TSUTAYA」を統括する本部である。その統括店舗数は 2009 年 12 月時点で約 1400 店舗と、国内最大規模となっている。CCC は当初、自らの事業のコンセプトを「若者が自己実現を達成するための情報を、映画や音楽のレンタルというメディアを通して提供すること」と位置付けた。
これは、CCC が創業した 1980 年代当時には、モノを手にすることで満足した団塊の世代よりも前の世代の考え方がもはや過去のものとなり、これからの若者は「モノを使って何をするのか、どのような生き方をするのか」という考えを持とうのではないかと、創業者の増田宗昭(現 CCC 社長兼 CEO)が分析したからである。そして、単に「モノを貸してレンタル料を得る」というそれまでのレンタルサービスを超えた事業を目指したのだという。
増田は、自社を「流通業」でなく「企画会社」としてとらえており、「世界一の企画会社になること」を自らに課した。情報新時代においてそれは、ビデオ、CD、書籍などの若者の文化(=カルチュア)を提供し、いつでも(深夜でも)、誰でも、手軽に入れる場(=コンビニエンス)を会員制(=クラブ)で運営する店舗の企画である。また、増田には、レンタル業というものは実は非常に収益性の高い金融業である(1 日で 10% の利益を生む)という発送があった。
そして 83 年、32 歳になった増田は、わずか 3 名で独立創業した。場所は大阪府枚方市の枚方駅前ビル。店名は「蔦屋書店」とした。老舗のイメージをつくるためできるだけ難しく、しかし多くの人が読める字にしようということで、「蔦」の字を選んだ。また、あえて「書店」と名付けたのは、店のコンセプトがレンタルビデオショップでもレンタルレコード屋でもなく、全国に 3 万店ほど存在し、文化情報の発信基地である「書店」の新形態であることをアピールするためであった。
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、レンタルビデオショップのフランチャイズチェーン「TSUTAYA」を統括する本部である。その統括店舗数は 2009 年 12 月時点で約 1400 店舗と、国内最大規模となっている。CCC は当初、自らの事業のコンセプトを「若者が自己実現を達成するための情報を、映画や音楽のレンタルというメディアを通して提供すること」と位置付けた。
これは、CCC が創業した 1980 年代当時には、モノを手にすることで満足した団塊の世代よりも前の世代の考え方がもはや過去のものとなり、これからの若者は「モノを使って何をするのか、どのような生き方をするのか」という考えを持とうのではないかと、創業者の増田宗昭(現 CCC 社長兼 CEO)が分析したからである。そして、単に「モノを貸してレンタル料を得る」というそれまでのレンタルサービスを超えた事業を目指したのだという。
増田は、自社を「流通業」でなく「企画会社」としてとらえており、「世界一の企画会社になること」を自らに課した。情報新時代においてそれは、ビデオ、CD、書籍などの若者の文化(=カルチュア)を提供し、いつでも(深夜でも)、誰でも、手軽に入れる場(=コンビニエンス)を会員制(=クラブ)で運営する店舗の企画である。また、増田には、レンタル業というものは実は非常に収益性の高い金融業である(1 日で 10% の利益を生む)という発送があった。
そして 83 年、32 歳になった増田は、わずか 3 名で独立創業した。場所は大阪府枚方市の枚方駅前ビル。店名は「蔦屋書店」とした。老舗のイメージをつくるためできるだけ難しく、しかし多くの人が読める字にしようということで、「蔦」の字を選んだ。また、あえて「書店」と名付けたのは、店のコンセプトがレンタルビデオショップでもレンタルレコード屋でもなく、全国に 3 万店ほど存在し、文化情報の発信基地である「書店」の新形態であることをアピールするためであった。
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