グロービスMBA事業開発マネジメント
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 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、レンタルビデオショップのフランチャイズチェーン「TSUTAYA」を統括する本部である。その統括店舗数は 2009 年 12 月時点で約 1400 店舗と、国内最大規模となっている。CCC は当初、自らの事業のコンセプトを「若者が自己実現を達成するための情報を、映画や音楽のレンタルというメディアを通して提供すること」と位置付けた。
 これは、CCC が創業した 1980 年代当時には、モノを手にすることで満足した団塊の世代よりも前の世代の考え方がもはや過去のものとなり、これからの若者は「モノを使って何をするのか、どのような生き方をするのか」という考えを持とうのではないかと、創業者の増田宗昭(現 CCC 社長兼 CEO)が分析したからである。そして、単に「モノを貸してレンタル料を得る」というそれまでのレンタルサービスを超えた事業を目指したのだという。
 増田は、自社を「流通業」でなく「企画会社」としてとらえており、「世界一の企画会社になること」を自らに課した。情報新時代においてそれは、ビデオ、CD、書籍などの若者の文化(=カルチュア)を提供し、いつでも(深夜でも)、誰でも、手軽に入れる場(=コンビニエンス)を会員制(=クラブ)で運営する店舗の企画である。また、増田には、レンタル業というものは実は非常に収益性の高い金融業である(1 日で 10% の利益を生む)という発送があった。
 そして 83 年、32 歳になった増田は、わずか 3 名で独立創業した。場所は大阪府枚方市の枚方駅前ビル。店名は「蔦屋書店」とした。老舗のイメージをつくるためできるだけ難しく、しかし多くの人が読める字にしようということで、「蔦」の字を選んだ。また、あえて「書店」と名付けたのは、店のコンセプトがレンタルビデオショップでもレンタルレコード屋でもなく、全国に 3 万店ほど存在し、文化情報の発信基地である「書店」の新形態であることをアピールするためであった。
--出典: グロービスMBA事業開発マネジメント
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