友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学

つぶやき

友達や上手くいく仲間の数は150人まで(ダンバー数)という妙に説得力あるバズワードにつられて読んだ。恋人探しのルールは何が大事かはよくわかった。ただ、実践できるかは別問題であるが・・・・。

評価・詳細レビュー

(5.0点)
著者はオックスフォード大学の認知・進化人類学研究所所長であり、進化人類学教授でもあるロビン・ダンバー氏。この書がなぜ、どのようにして書かれることになったのかは、謝辞を見てみることにしよう。

本書のもとになったのは、週刊誌「ニュー・サイエンティスト」および日刊紙「スコッツマン」に書いたポピュラー・サイエンス系の記事(前者は1994〜2006年、後者は2005〜2008年まで)だ。それらを一冊にまとめるにあたって、私が心がけたことがある。行動、とくに人間の行動を進化面から探る研究は、10年ほど前から驚くべき成果を次々とあげている。その興奮とおもしろさを少しでも伝えたいーそれが私のねらいだった。 - 謝辞より引用

内容は20章に分かれており、男と女、血縁、人類の起源、進化と想像などから、宗教、健康・知性、芸術などに及び、どの章からでも読み始めることができる。私が登録した引用を見てもらうと、どういう本かイメージがつかめるかも知れない。科学的な読み物や知的好奇心を満たしたい人には、是非楽しめること間違いない一冊。

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(4.0点)

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引用

私たちはいつのまにか、教育の目的を見失ったのかもしれない。教育は精神を鍛え、探求心をかきたててくれるものなのに、そうした価値が評価されなくなっている。 P233
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エンドルフィンの役割は、心身の消耗が引き起こす苦痛やストレスをやわらげることだ。たくさんの本を読み、難解な証明やうまくいかない実験について考えていると、眼精疲労や頭痛に襲われ、いらいらが募ってくる。でも生まれつきエンドルフィンがたくさん放出される幸運な人は、それを軽々と乗り越えていける。凡夫たちが力つきてあきらめたあとも、新鮮な心持ちのまま次に勧めるのだ。 P 230
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だから宗教儀式には、身体にある程度のストレスを強いるものが多いのだ。歌ったり踊ったり、えんえんと身体を揺らしたり飛び跳ねたり。数珠を繰るのも、ひざまずいたり蓮華坐を組んだりするのもそうだ。ときにはむち打つなどして、本当に痛めつけることもある。それでも信者たちは幸福感に酔いしれている。彼らは毎週お祈りをすることで、ヤクを打っているようなものなのだ。そしてここが肝心なのだが、エンドルフィンには免疫システムが万全に機能するよう「チューンナップ」する働きがある。つまり信仰心が厚い人ほど健康になれるということだ。 P215
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