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本書は、1980年代アメリカで誕生したブレードランナーやターミネーターなど怪作や問題作を取り上げ、筆者が詳細に分析したものだ。
筆者が取り上げている映画は、いわゆる「全米が泣いた!」みたいなタイトルは一本も無いが、現代に至るまで我々が目にする作品の元パターンを生み出した作品群でもあり、ぜひ一度は観ておきたい作品でもある。
そして筆者は、それら映画の背景から監督の人間性までえぐり出し、我々の前にさらけ出している。例えば製作に至るまでの監督の生い立ち、動機、彼が影響を受けた作品などに始まり、実際の映像作品中における伏線、最終的な映像作品ではカットされたために意味不明になった部分の謎解きまで幅広い。ちなみにブレードランナーで有名な「二つで十分ですよ」の謎解きも…
とまれ、本書はそれぞれの映画のファンからカルトムービーファンまで、幅広い層にオススメです。
なお、筆者にはぜひ現代日本の宮崎、押井、大友各氏などの映画をテーマに、本書の続編的な書籍を出して欲しいと思う。
なお本書を読んでから映画を観るか、観てから読むか、というところが問題だが、本書はネタバレも満載なので観てから読む方がいいと思う。