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同僚の奨めで購入。
ジャーナリスト級の緻密な取材と独特のタッチで
戦時中の庶民生活を描く。
神風を宿命づけられた息子を涙ながらに送り出したり、
大政翼賛の真っただ中、抹殺を恐れず孤独に反戦を声高に叫んだり、
なんか、そういう劇的なドラマばかりが戦時中は起こっていた、のではなく。
本作で描かれているような、ごく普通の、何気ない日常のほうが圧倒的大部分だったのだと、
今さらながら気づく。
政治家や天皇や兵隊や進駐軍が注目されるけど、
むしろ、こうした一般庶民の、無自覚だけど無垢で嫋やかな生活に対する恒常性のほうが、
僕らの生きる現代社会の礎となってきたんだなぁって思いを馳せると、劇的なドラマ以上に涙腺が緩む。
「戦争」ということばのもつ途轍もない非日常性は時に、
僕らがコンテンポラリーな日常を想像することを阻害することがあるのかも、と感じた。
ところで、テレビドラマは見てないけど、すず役は北川恵子だとか。
むむむ。そう?蒼井優じゃない?