超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)
歴史的トレンドから、今の混迷する世界経済を読み解こうとする対談集。
おそらく、これからの数十年のうちに起こりうるであろう予測は、精度の高いものに思える。

○今までの先進国経済は、資源国から安い資源を輸入して得られる高い収益によって、高成長を続けてきた。(植民地時代の収奪の仕組みと基本的には同じ)
これが、オイルショックを契機として成り立たなくなり、もはや実物経済ではやっていけなくなり、金融によって利益を上げる仕組みに変化していく。この仕組みが破たんしたのが、リーマンショックである。
○超高齢化へと突き進んでいく姿も世界の最先端であり、日本の対応力を世界が見守っている。リーマンショック後の先進国世界の低成長ぶりを見るとき、まさに世界は日本の後を追っているようである。
○新興国の台頭による資源価格の高騰を前に、もはや成長はあり得ないと認識し、低成長を前提とした経済モデルを考えていくべきであるとしている。
○サムスングループの利益の半分は欧米の資本に吸い上げられているという。これからの中国でさえも、その利益の大半は、欧米の資本に吸い上げられるであろうと予測する。
○低成長時代における国家の役割は、規制を設けることによって需要を喚起したり付加価値の高い産業を作り出すことだ。