暴走する「世間」―世間のオキテを解析する (木星叢書)
「自己責任」「自発性」「成果」という考え方は、西欧の個人や社会の成立を前提としたものである。産業医の荒井千暁さんは、現在職場に生じている事態を「昨日まで儒教思想が重んじられる年功序列社会で働いていた日本人が、欧米社会にある日突然乗り換えようとチャレンジしている」(新井千暁『職場はなぜ壊れるのか』ちくま新書、2007年)という。
これら「自己責任」「自発性」「成果」といった原理を「世間」しかない職場に導入した場合に、個人が存在しないために従業員間のあつれきの原因となり、これが引き金になって睡眠障害、自律神経の乱れ、うつ病を発症することが多い。(p99)