経営の発想をプロセス思考からゲーム思考に変えると、経営管理のPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルは大きく変わります。その根本的な発想の違いは、「生産性(プロダクティビティ)の定義」に表れてくるでしょう。
プロセス思考の生産性の原則は、「計画どおりの仕事を遂行するスピード」です。何があろうと計画どおりに仕事を実行することが、もっとも重視されます。管理者は実行状況を常にチェックし、適宜介入し、予定どおりに目標が遂行できるように努めます。あらかじめ設定した目標値の達成状況を評価し、達成していない指標については、すぐに改善案を検討します。当然、計画を達成した人に報奨を与えます。他人の仕事に首を突っ込んで、自分の仕事が滞った人は、ご存じのように、たとえそちらのほうが大事なことであっても、計画どおりに行かなかったことを反省させられることになります。結果として、誰も他人や他部署のことはおかまいなしのタコツボ文化が強化されます。(p.xiv)