ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録
痛んだ企業の痛んだ事業と痛んだ資産を建て直すとは、雇用と事業をどこまで守るべきなのかを痛みを持って決断することである。私たちは全能の神ではない。一人の人間としては一人でも多くの従業員の雇用を守り、一円でも多い利益につながるような事業にしたいと願う。だが、その願いを聞いてもらえるほど世の中は寛容ではない。したがって血を流すことはあっても、何を最後の一線として守るのかの決断を、神ではないただの人間の集団がしなければならない。
300頁 あとがき