主人公の自分自身に対する関係は、彼の他者に対する関係および他者の彼に対する関係と不可分に結びついている。自意識はいつでも自分自身を、彼についての他者の意識を背景として知覚する、つまり、《自分にとっての私》は《他者にとっての私》を背景として知覚されるのである。したがって主人公の自分自身についての言葉は、彼についての他者の言葉の間断なき影響のもとで形成されるのである。(p.420)
--出典:
ドストエフスキーの詩学 (ちくま学芸文庫)
主人公の自分自身に対する関係は、彼の他者に対する関係および他者の彼に対する関係と不可分に結びついている。自意識はいつでも自分自身を、彼についての他者の意識を背景として知覚する、つまり、《自分にとっての私》は《他者にとっての私》を背景として知覚されるのである。したがって主人公の自分自身についての言葉は、彼についての他者の言葉の間断なき影響のもとで形成されるのである。(p.420)