現代思想2012年4月号 特集=教育のリアル 競争・格差・就活
一九九二年三月には、高卒者の求人数が一六七万六〇〇〇件ありました。しかし二〇〇三年三月には、高卒者の求人数はわずか一九万八〇〇〇件です。何と八七パーセントも減っている。〈中略〉一六七万から一九万というのは、不景気の影響で減ったというようなレベルの話ではなく、高卒就職が構造的に消滅寸前なっている状況を示しています。大学卒業後の就職率が下がったとしても、それ以上に高卒後の就職が難しい。学費が高くても大学に進学せざるをえない状況に、子どもとその保護者は置かれています。(p72)