近年の新自由主義の下で喧伝されている多様化とは、学校の個性化も含めて、格差の拡大をもたらし、その深刻さを隠蔽する機能を果たしています。〈中略〉多層化している上のほうの層に行けば、確かにかつてよりも選択の自由が広がっている。しかし下に行けば行くほど選択肢が狭まり、ほとんど一つしかない選択肢は劣悪で不安定、過酷ということです。上に上がって行けば少しずつ選択肢が広がり、最上部ではかなりの選択肢が広がっているということが、社会全体に対して選択肢が広がったのだ見せている仕掛けだと思います。どこの層にも選択肢がないのではなくて、選択肢がある人たちも確かにいる。しかし下に行けば行くほど選択肢がないというところを問題化しなければいけないのですが、(p73,児美川)