メールに広告を入れると、見苦しいばかりか、プライバシーの問題も出てくる。「本文内に広告を入れるなんて、このサービスの運営者は、文面も覗き見しているんだろうか。」などと妙な憶測をよびかねない。しかし、ドレイパーはめげなかった。リスクよりはるかに大きな利点がある。できるかぎり急速に普及させるために全力をつくすべきだ、と主張した。
P.S. アイ・ラブ・ユー。ホットメールで無料メールをゲットしよう。
繰り返し口にすればするほど、いいアイディアに思えた。
翌日、バティアからドレイパーに電話があった。メールの末尾にメッセージをいれてもいいけれど、「P.S. アイ・ラブ・ユー」の部分だけは勘弁してほしい、とのことだった。
効果はすぐあらわれた。数時間としないうちに、利用者数の増加が急カーブを描き始めた。一日平均で3000人増え、増加率はさらに上がる一方だった。労働祭りの祝日には計75万人となり、6ヶ月後、はや100万人を記録した。 P119