ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック
評価 : (3.0点)

この本の対象読者は、基本的にはユーザビリティを高めたいと考えているデザイナーや開発者、企画者というよりは、実際のユーザ像のユーザを集めてヒアリングしたりテストをして反応を見たり、そのテストの結果をどのように分析するか評価するかなどの”ユーザビリティ・エンジニアリング”の基本的な知識や手法について書かれた本である。5章のうち3章はその内容に割かれている。私は、Webアプリケーションの企画や開発をしているが、残念ながらこれまでもおそらく近い未来にも実際のユーザにオフラインでインタビューしたりテストをするようなことまでをすることはないと思うので、その点については私には参考にならなかった。
ただ、1章では基本的なユーザビリティについての考え方、3章ではプロトタイピングについて手法や注意点などが書かれており、これは非常に参考になった。さらに補足するとプロトタイピングのただの手法だけでなく、それをチームでやる時の注意点なども細かく書いているため興味深い。
ちなみに私はプロトタイピングのツールとして、Balsamiq Mockups(http://balsamiq.com/products/mockups) を利用していて、非常に役立っているが、本書の3章のプロトタイピングのハイファイ・ローファイを読んで、活用方法をもう少し考える必要がありそうだ。
まとめると、どちらかというとユーザビリティ・エンジニアの初心者向けの本だが、そうでないユーザにも1,3章は読む価値がある本でしょう。


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