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不思議な空気感の小説。府中で起きた3億円事件の犯人が著者となって、その自伝的小説というスタイルで物語は進む。学生運動花盛りの時代感を背景に据えながら、恋愛や家族や犯罪や贖罪や死がもつ独特の儚さから、個人が個人でいるためのセピア色の苦悩が描かれている。面白い、気がする。こういうのは読んだことがない。ちょっと狂気性は異なるけど、「肉体の悪魔」的な虚脱感を感じる。
不思議な空気感の小説。
府中で起きた3億円事件の犯人が著者となって、
その自伝的小説というスタイルで物語は進む。
学生運動花盛りの時代感を背景に据えながら、
恋愛や家族や犯罪や贖罪や死がもつ独特の儚さから、
個人が個人でいるためのセピア色の苦悩が描かれている。
面白い、気がする。
こういうのは読んだことがない。
ちょっと狂気性は異なるけど、「肉体の悪魔」的な虚脱感を感じる。