エイジ (新潮文庫)
評価 : (4.0点)

同級生が無差別通り魔として捕まってしまった、男子中学生の秋から冬にかけての物語。

紙一重とでも言えようか、この年代こそが持ち得る狂気と現実の生乾き感や
他人事のように自分の人生を捉える年代感を見事に表現している。

常に、右も左も、前も後ろも、上も下も、コロコロと定まらない。
定まらないのではなく、定めない、のかもしれない。
それを定めたら、明らかに昨日とは違う自分になってしまうのを知っていて、
無駄と知っている無駄な遊戯をやらずにはいられないのかもしれない。

決して誇れる中学時代ではなかった自分のあの頃を思い出させてくれた。
そして、あれはあれで、よかった、とも自嘲気味だが思わせてくれた。

やはり、読むか。「ナイフ」。なんか怖いんだよなー。


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