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全5巻。15世紀にトマス・マロリーという騎士によって記された物語です。RPG等では「エクスカリバー」や「円卓の騎士」がよく引用されますね。普通『アーサー王の死』と訳されますが、本書は物語の内容からあえて『アーサー王物語』というタイトルで出版しています。劇中に出てくる「誰々が馬から落とされ、誰々が代わりに落とした相手を代わりに落とし、そしてその誰々を(……)」と詳細に描きながらも速度の欠ける決闘場面は同時代の静寂さをもった戦争画を思い起こさせます。A5版の400ページ程の本五冊なので読むのに難儀しそうですが、大きめの文字が余裕をもって印刷されている形式ですので、やろうとすれば1日で1冊、5日で全巻読み切れます。また、象徴主義の巨匠オーブリー・ビアズリーの挿絵が、本書に流れる幻想的雰囲気をひきたたせます。アーサー王にまつわる物語でひと際有名なのが、ワーグナーが自身の戯曲の主題として採用した事のある『トリスタンとイゾルデ』ですが、本書でのこの2人はワーグナーの戯曲とは違った最期を迎えます。とは言っても、その最期についてはかなりあっさりと述べられるだけなので、『トリスタンとイゾルデ』への興味だけで読むと肩透かしを食らうでしょう。あくまでも聖杯伝説や、円卓の騎士の物語に興味を持つ方にお勧めします。
全5巻。15世紀にトマス・マロリーという騎士によって記された物語です。RPG等では「エクスカリバー」や「円卓の騎士」がよく引用されますね。普通『アーサー王の死』と訳されますが、本書は物語の内容からあえて『アーサー王物語』というタイトルで出版しています。劇中に出てくる「誰々が馬から落とされ、誰々が代わりに落とした相手を代わりに落とし、そしてその誰々を(……)」と詳細に描きながらも速度の欠ける決闘場面は同時代の静寂さをもった戦争画を思い起こさせます。
A5版の400ページ程の本五冊なので読むのに難儀しそうですが、大きめの文字が余裕をもって印刷されている形式ですので、やろうとすれば1日で1冊、5日で全巻読み切れます。また、象徴主義の巨匠オーブリー・ビアズリーの挿絵が、本書に流れる幻想的雰囲気をひきたたせます。
アーサー王にまつわる物語でひと際有名なのが、ワーグナーが自身の戯曲の主題として採用した事のある『トリスタンとイゾルデ』ですが、本書でのこの2人はワーグナーの戯曲とは違った最期を迎えます。とは言っても、その最期についてはかなりあっさりと述べられるだけなので、『トリスタンとイゾルデ』への興味だけで読むと肩透かしを食らうでしょう。
あくまでも聖杯伝説や、円卓の騎士の物語に興味を持つ方にお勧めします。