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本ムックは、文字通り幕末の志士を紹介したデータベースだ。坂本龍馬や勝海舟などの著名人から、伊豆韮山の代官江川太郎左右衛門など知る人ぞ知る、という地方の逸材まで幅広く紹介している。また、面白いのが維新前夜の先覚者である高野長英や渡辺崋山なども紹介していることだ。どうしても維新モノと言うと、鳥羽伏見の戦いのあたりから函館戦争までが対象、という構成のものが多いが、それ以前に維新の胎動を作り出した人間の業績にも注目しているところが歴史モノの学研ならではでないだろうか。 ちなみに高野長英は筆者と同郷で、田舎の小学校では郷土の大偉人として色々と教わった口だ。本書では奥羽諸藩の志士の掲載が少なく寂しい限りだが、それを埋める意味でも高野長英の掲載は地元出身者としてはちょっと嬉しい。 また、今回感じたのは、伸張著しいWikipediaとの使い分けだ。例えば高野長英の業績はそれこそ本書を読まずともWikipediaでも読むことが出来る。だが、肖像や著作の写真などは現在のところ(2007/6/23現在)Wikipediaでは掲載されていない。図像情報を見ることができるのが書籍・ムックの良さだろう。更新が早く、ネット利用者なら誰でも利用出来るWikipediaだが、まだまだ情報の多様性では書籍・ムックが優位に立っている場合も多い。両者を適宜使い分けるのがベストと言うことなのだろう。 幕末歴史マニアは、ぜひ『図説・幕末戊辰西南戦争―決定版』と併せて手にとって欲しい。
本ムックは、文字通り幕末の志士を紹介したデータベースだ。坂本龍馬や勝海舟などの著名人から、伊豆韮山の代官江川太郎左右衛門など知る人ぞ知る、という地方の逸材まで幅広く紹介している。また、面白いのが維新前夜の先覚者である高野長英や渡辺崋山なども紹介していることだ。どうしても維新モノと言うと、鳥羽伏見の戦いのあたりから函館戦争までが対象、という構成のものが多いが、それ以前に維新の胎動を作り出した人間の業績にも注目しているところが歴史モノの学研ならではでないだろうか。
ちなみに高野長英は筆者と同郷で、田舎の小学校では郷土の大偉人として色々と教わった口だ。本書では奥羽諸藩の志士の掲載が少なく寂しい限りだが、それを埋める意味でも高野長英の掲載は地元出身者としてはちょっと嬉しい。
また、今回感じたのは、伸張著しいWikipediaとの使い分けだ。例えば高野長英の業績はそれこそ本書を読まずともWikipediaでも読むことが出来る。だが、肖像や著作の写真などは現在のところ(2007/6/23現在)Wikipediaでは掲載されていない。図像情報を見ることができるのが書籍・ムックの良さだろう。更新が早く、ネット利用者なら誰でも利用出来るWikipediaだが、まだまだ情報の多様性では書籍・ムックが優位に立っている場合も多い。両者を適宜使い分けるのがベストと言うことなのだろう。
幕末歴史マニアは、ぜひ『図説・幕末戊辰西南戦争―決定版』と併せて手にとって欲しい。