GANTZ 1 (ヤングジャンプコミックス)
評価 : (3.0点)

ヤングジャンプで連載されている人気漫画です。映画化もされました。いわゆる「バトルものの漫画」ですが、本作には他の「バトルもの」と一線をひく特徴が3つあります。

第一に「緊迫した戦闘」
この作品は、死んだ人間(主人公達)が黒い球体のある部屋(GANTZの部屋)に集められ、そこで異星人の討伐ミッションを下され、主人公達がそれを遂行するという内容になっています。なので、普通のバトル漫画の様に、主人公達は何かしらの能力をみとめられ、また積極的に討伐に参加しようとする人種ではありません。ただの一般人です。それに対し、討伐対象となる異星人はコンクリートの様な頑強な体を持ち、また簡単に人間の体を切断する等、人間を遥かに凌駕した身体能力を持っています。一応主人公達には自身の身体能力を飛躍的に高めるスーツや途轍もない破壊力を持つ武器が支給されますが、あくまでもそれを装備しているのが戦闘経験のない人々であるからこそ、毎回緊迫した戦闘を楽しむ事ができます。

第二に「敵が必ずしも悪ではない」
異星人が人間を遥かに超越した身体能力を持つ事は述べました。しかし、彼ら異星人がミッション以前に人間に害をなしたという描写は無い場合が多いのです。それぞれ人間等に擬態し、静かに暮らしているのです。特に最初と第二の敵が共に初登場シーンでレジ袋を持っているのがそれを象徴しています。またこの2つの敵に関しては主人公達に仲間が殺されたので、主人公達を襲うのであって先に手を出した訳ではないのです。

最後に「仲間が必ずしも善人とは限らない」
これは第二の特徴との関連でも言えますが、それ以上に、既に話した通りガンツは死んだ人間をランダムに連れてくる為に、時にとんでもない人間が主人公サイドに加わる事があるのです。暴力団や暴走族、果てには殺人鬼と、なので仲間割れが起きる事も多々あります。

以上の特徴に加え、この作品にある「討伐した異星人に応じてガンツから点数を与えられ、100点になった時に戦闘から解放される事もできる(生き返って、なおかつ日常に戻れる)」という設定を考えると、本作では所々に人間のエゴが見え隠れしていると言えましょう。そして主人公も最初は、その様な(良く悪くも)エゴを持った「一般人」だったのですが、戦闘を重ねるごとに「戦士」として成長していく姿を見る事が出来ます。
ちなみにエログロの表現がありますので、人によって拒否反応を示すだろうと思い、星3つにさせていただきました。


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