ユートピアの文学世界
評価 : (2.0点)

 古本屋で発見して、安かったから買った。600円。古い本だと思った(けっこう汚いんで)らわりと最近の本で驚いた。
 まあかたい本です。難しくはないけどかたいです。前半100ページくらいで色々なユートピア文学を紹介していくところなどはまだおもしろい。というよりもここだけ読めば十分って感じ。
 残りはユートピアをテーマにした論文をいくつか集めたものなんだけど、これがマァー中途半端な長さだし、どれもすっきりしない。「これユートピアが主題じゃなくなっちゃってね?」というものもある。
 600円なので前半をユートピア文学の参考文献目録として納得しておくが、新品で買っていたらかなり後悔していたと思う。後悔というかカチンときたはずだ。Amazonのレビューはさすがに私怨だと思うが、確かにおもしろいといえるような内容ではない。
 それに三四十年前の本だと思えばほほえましい気持ちで読めるけど、三年前でこの内容ってどうなの。古くねえの。
 巌谷國士の『シュルレアリスムとは何か』のほうが分かりやすいしおもしろい。これは「シュルレアリスム」だけじゃなくて「メルヘン」「ユートピア」に一章ずつ割いてるんで、個別の作品についてはあまり多くは書かれてないけど。
 タイトルと目次で買っちゃったからなあ。おれは「世界のユートピア文学」について知りたかったんだよ。そういう比較とかが読みたかったの。目次に「日本古典文学のユートピア」というのがあったからそういうもんだと思っちゃってさあ。古本だと安いんで勢いで買っちゃうんだけど、もっとちゃんと読んでから買わないといかんなあ。


参考になった人:0人   参考になった