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評価 :創元社のこのシリーズはなかなかよさげ。内容は詰め込みすぎず、要点をおさえてるって感じ。文章も読みづらくない。興味の入り口にいい。あと写真が多い。このシリーズはほかにも、まだ読んでないけど『文字の歴史』というのも一緒に買ってあるし、本屋で『魔女狩り』を立ち読みしたりした。
このシリーズはどうもフランスの本の翻訳らしいんだけど、荒俣宏いわくフランス人というのは書物をきれいにデザインするのが好きらしい。これもほぼ全ページ写真(ふるい本やその表紙や挿絵など)がついている。ただ個人的なことだけど、だいたいが左端に本文、真ん中に写真、右端にその写真の解説というふうになっていて、文章がページをばらばらにまたぐところがあるのでそこがちょっと読みづらい。おれはこういうレイアウトになれていないから、気にならない人には気にならないどころかむしろこれでいいのだと思うかもしれないけど。
評価 :難しいけどたぶんがんばれば読めるので、記号論を知らない人で知りたい人は読むといいけど絶版。ユーモアがある。ユーモアがあるというのは例を挙げるときなどのことで、雑談的な内容はまったくはさまれておらず、無駄なく理論的なことが書かれているということだ。だからあんまり一気には読めない。一日に五~十ページくらい。注も込みでだいたい250ページくらいだからそんなに量はないけどまだ読んでる。いま150ページを少しすぎたあたり。
訳は『記号論への招待』の池上嘉彦で、解説も書いていてお得。でも絶版。
二巻はこのあいだ神保町で手に入れた。うれしかった。-
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評価 :佐藤信夫の本では『レトリック感覚』と『レトリック認識』、この『レトリックの記号論』でレトリック三部作という感じで、これが一番専門的に見えるタイトルだけど、実はこれが一番専門的でない。まあおれは好きです。
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夢野 久作(著者)評価 :おれも推理批評をちょっと試してみたいと思い、嘘をつき続ける少女(?)を書いたというこの短編を読んでみようということになった。これはしばらく前から持ってはいたが読んではいなかったのである。
面倒くさくなったのもあって推理は実践には至らなかったが、とにかく小説は面白かった。読むときには知らなかったが、『少女地獄』というのは「何んでも無い」「殺人リレー」「火星の女」という三本の書簡体小説がひとつに入れられている。嘘をつき続ける少女というのはこの「何んでも無い」という話で、ページで区切りもせずに「殺人リレー」という小題(小題なのかもはじめはよくわからなかった)をつけてそのままったく関係ない名前と関係ない話がはじまるので面食らってしまった。とくに『ドグラ・マグラ』を読んでいると、関係ないようで関係あるのではないか、どこかで戻るのではないかという期待(?)でもってそのまま読み進めてしまった。
もちろん本当に関係がないのか、あるいはあるのかはよくわからない。こういった文学テクストを推理するにはかなりの部分読者の想像が必要になってくるので、それは捜査というよりは妄想の域だし、まさにその妄想をしているのが「何んでも無い」の姫草ユリ子なのだ。
それに「何んでも無い」のはじめに出てくる曼荼羅先生の見た目がまさに「和製のシャアロック・ホルムズ」と書かれていて、しかも書簡体であるため、かえってちょっと醒めてしまった。個人的に。-
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