どこから行っても遠い町 (新潮文庫)
評価 : (4.0点)

東京の外れにあるという、架空の町の住人たちによる連作短編小説。
登場人物たちが少しずつ重なり合って、(男女関係が主だが)ささやかな日常を描きだす。
最終話の人生譚とも相まって、ともすれば、人生賛歌のようにも読める。

けど、僕は作者がその裏側で提示している「なにか」を怖く感じた。
それは、不安なまま、確証もなくただ日常を信じ続けて生きるしかない、危うさと怖さ。


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