Hidetoshi Fukasawa
ライブラリ 4 册 | 詳細レビュー 4 件 | 引用 4
一行紹介


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自己紹介


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走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)
11月のニューヨークは実に魅力的な街だ。



空気は意を決したかのようにきりっと澄みわたり、セントラル・パークの樹木は黄金色に染まり始めている。

空はあくまで高く、高層ビルのガラスが太陽の光を豪勢に反射させている。

ブロックからブロックへと、限りなくどこまでも歩いていけそうな気がする。

バーグドーフ・グッドマンのウィンドウには上品なカシミアのコートが飾られ、街角にはプレッツェルを焼く香ばしい匂いが漂っている。
とおくはなれてそばにいて―村上龍恋愛短編選集
ね、なにかいるような気がしない?と彼女は言った。

『何かがどんどんあたしの中に入ってきちゃうの、まるでその何かがあたしを引っ張るみたいに、あなたをどんどん好きになっていくのよ、ムードに酔っているだけだって自分に言いきかせるんだけど、だめなの』

私も同じ気持ちだった。

お前少しおかしいんじゃないか、と自分に言いきかせたが、気分は妙に浮わつき、彼女との別れの日を恐れているのだった。

コート・ダジュールには甘い魔ものが潜んでいるのだ、と気付いたが、もう遅かった
ラットマン
だって、真似は個性を身につけるための手段なんだから

手段?

個性ってのはさ、何かを一生懸命に真似しないと、手に入れることなんて絶対にできないんだよ。

はじめから独自のものを目指そうったって、そんなの上手くいくはずがない。音楽だって、絵だって、人生だってそうさ



一生懸命真似したんだ



ゴッホの模写を見つめながら、父も同じことを言っていた。
--出典: ラットマン
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八日目の蝉
『前に、死ねなかった蝉の話をしたの、あんた覚えてる?
七日で死ぬよりも、八日目に生き残った蝉のほうがかなしいって、あんたは言ったよね。
私もずっとそう思ってたけど』

千草は静かに言葉をつなぐ。

『それは違うかもね。
八日目の蝉は、ほかの蝉には見られなかったものを見られるんだから。
見たくないって思うかもしれないけど、でも、ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどにひどいものばかりでもないと、私は思うよ』

秋に千草と見上げた公園の木を思いだした。

闇にすっと立っていた木に、息をひそめる蝉をさがしたことを思いだした。
--出典: 八日目の蝉
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