この1冊ですべてわかる コーチングの基本

つぶやき

縁あって、コーチングを深堀しています。実践編としてはかなりいい内容です。部下と向き合う覚悟のできた方にオススメです!

評価・詳細レビュー

(4.0点)
図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく」に続いて、鈴木 義幸氏の著書です。前作は、概要を学ぶのに非常によかったのと、コーチングって、こういうことっていう概念テキなものをつかむのに、簡潔で短い構成でよかったのに対して、本作は、実践編というか、実際に部下やクライアントに向きあうには、もうちょっと知識をつけてからの方がいいです、っていう具体的な内容に仕上がっています。全部をバカ正直に行うと、こちらはプロではないですから、三流のコーチング感がでますが、エッセンスを踏まえて、自分のスタイルに合わせて、自分の言葉にできるように、アレンジしていけば、かなりいい指導ができると思いました。部下の言ってることがわからないと悩んでいる方は、前作を、実際に部下と向き合ってみようと覚悟した人は、こちらがオススメです。

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引用

P.141

◎ 聞くためのポイント ◎

(1)「聞く」ことに集中する
自分が話すことよりも、相手に話をさせる環境をつくることに集中します。コーチが会話を独占することはありません。

(2) 相手の話の先読みや、結論の先取りをせず、最後まで聞く
途中で口を挟まない。また、自分の先入観で話を聞かないことが大切です。

(3) 相手のノンバーバル(非言語)な情報を受け取る
コミュニケーションは言葉だけで成り立っているわけではありません。相手の表情やしぐさ、声のトーンなどが言葉以上のものを語ることがあります。

(4)「聞いている」というサインを送る
タイミングのよい相づちやうなずき、また、表情や目線で相手を安心させることで、より多くの情報を共有することができます。

(5) 沈黙を共有する
会話は、言葉と沈黙によって構成されます。相手が沈黙している時間は、新しいアイデアや正直な気持ちに向き合うために必要な「間」として捉える視点が必要です。
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P.136

 自責と他責についてコーチが扱うとき、間違えてはいけないポイントは「クライアントの抱えている課題の責任の所在が、実際には誰にあるのかは取り立てて重要ではない」という点です。たとえ実際のところは 99% 相手の責任であったとしても、その課題に自分自身が働きかけると決めたなら「100% 自分の責任だとしたら何が原因だろうか?」とあえて自責の状態になることを選び取ることが重要なのです。
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P.129

 自己を客観視させる方法として最も直接的で効果が高いのは、自分自身を撮影・録音した情報をそのまま見聞きしてもらうことです。
 コーチング・セッション中の会話、会議の様子、オフィスの自席での自分と部下の会話、面談の様子等々、了解が得られればコーチが録音や撮影に行くこともありますし、クライアント自身に定点カメラ等で撮影してもらうこともあります。
 そして記録した映像や音声を、コーチング・セッション中にコーチとクライアントで一緒に視聴します。百聞は一見にしかずとはよくいったもので、この手法は非常にインパクトが強く、たいていのクライアントは大いにショックを受けます。過去には「こいつが上司だったら俺、モチベーション上がんないわ」「何だか終始上から目線で聞いていて苛立ちを覚える」と自分自身を評した方もいました。
 このように、課題や汚点、不都合なことなど思いどおりに行かない現実に真正面から向き合うことを「コンフロント(直面)する」と表現します。コンフロントした状態は、無意識にもっていた自分のセルフイメージ(こうありたいという理想の自分自身)とリアルセルフ(実際の自分自身)の間にギャップを強く認識している状態のため、非常に居心地の悪い嫌な気分にさいなまれます。人が周囲からのフィードバックを恐れたり、そう簡単には聞き入れようとしなかったりするのは、コンフロントを起こして嫌な気分になるのを避けたいからでしょう。
 コンフロントを起こしている瞬間は、無意識のうちに抱いていたセルフイメージを言語化する大きなチャンスです。
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