数学ガール

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おれが直接的に期待していたことはアルゴリズムについてなにか詳しく知ろうとすることだったのだけど、いい感じに結果的に裏切られて「いかに思考を研ぎ澄ませるか」というところに落ち着いた。

この本で扱っていることは数学だ。いかにして数学の問題を解き、あるいは作成し、研究するか。そんな様子が(こんな「僕」がいたらおれは嫉妬するであろう環境である)少女たちととにもかくにも「考える」物語だ。「思考する」物語だ。例えばフィボナッチ数であるとか、群、除算、定理について、微分、確率、単位円……それらの数学そのものの研究は面白い。だけど、おれはそこまで数学酢の物を求めていなかったし、たぶん研究することもしない。面倒くさがりだから結果を拝借する。ただ乗りする。

「どのような思考ルーチンでものを考えるか」という話は論理学を思い出す。おれは大学2年の時に簡単な論理学の講義を受けた。論理学そのものは神学から生まれ「いかに神に対する思考プロセスを正確化するか」というところから生まれた。それと似ている。数学も受験数学なんかじゃない学問としての数学はとても厳密に事象を扱い、思考する。

具体的に得られた思考プロセスを少し箇条書してみよう。
例示、具象からものを考える
まずある事象や関数があったときにx=1などと代入して結果を求める
具体例からパターンを求める
ある数列 1,1,2,3,5……というような数列があったときにそれをいろんなパターンを求める
「旅の地図」をつくる。事象を求めるときに、あえて迂回する
大問題Xがあったときに同じような小問題xを考える→xについて解yを求める→同じ手法で大問題Xに対する解Yを提示する
自らの「知らない最前線」を常に意識する
自分が「どこまでわかっていて」「どこまでわかっていないか」を明確化する

などなど……。パッと思い浮かんだのではそんな感じか。もっとメタな意味でのなにかをつかんだ感じはするんだけど、いまいち明文化できない。

こんな感じのことを延々とやっている。4巻分も読んでたら何回も思考プロセスがパターンとなって出てくるから定着してきたのかな。難しい話も噛み砕いて小問題にしながら読みといて「数式の世界」「意味の世界」「プログラムの世界」を行き来していた。そのような様がストーリーとしてたのしく読めるというのはとてもとっかかりがつかめるし面白い事だ。

この本の著者結城浩さんの本はほんとうに面白いね。デザインパターンも、暗号化技術入門も。優秀な方だなぁ。ほんとうにすごい。

まあおれはそんなことよりちょっとあざとい描写だけどいちいちかわいいテトラちゃんが幸せになってくれれば別にいいんだけどね。テトラちゃんかわいいよテトラちゃん。

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