矛盾の経営―面白法人カヤックはどこが「面白い」のか?
変化を恐れないことは、矛盾を恐れないことに通じる。
仕事を面白がりながら、厳しく取り組む。
安定的に稼ぎながら、一発大ヒットを狙う。
ニッチでバカバカしいサービスを開発しながら、誰もが幸せになるサービスを開発する。
カヤックには、そうした一見相反する課題について、どちらか一方を取るのではなく、両方ともに解決することを目指すという一貫したスタンスがある。(p.192)
自由には覚悟と責任が伴う。カヤックは自由さを尊重しつつも、同時に自分の実力と成果がすべて「見える化」される厳しい会社でもある。それを早いうちに体感し、自分が組織に対して貢献できる道を考えて実行できるか。これが、カヤックという組織に定着する上での分かれ目となるようだ。(p.158)
モチベーションが湧くかどうか、創造性が発揮できるかどうかは、仕事の種類や性質で決まるものではないのだろう。それは、働く側がその仕事をどう捉え、どう関わり、そこから何を得ようとするかによって決まるものだ。あるいは、「このメンバーと一緒に仕事をすることが楽しい」「このチームのために何か役に立ちたい」という気持ちが「やりたい」という前向きな姿勢を生み出す。(p.156)
自らの言葉をもって社内外に自分と会社を発信し、フィードバックを得てさらにその思考を磨き上げる。その地道な作業を続けられることが経営者の必須スキルとなりつつある。経営理念をまとめて語る、ということもそうした時代の文脈からとらえるべきなのだろう。(p.105)
「自分が何者か」ということは、自分だけで考えていてもわかるものではない。それは他者との関わりのなかではじめて見えてくるものであり、それは組織についても同じであろう。そのことに気づいた柳澤は、「『社会に貢献する方法論を企業側から宣言するもの』が経営理念だ」と理解した。しかも、ワンフレーズで皆が覚えられ、仕事で何か迷ったときに思い浮かべると、きちんと進むべき道を示してくれる道しるべとなる言葉。つまり組織を正しい方向へ導くための羅針盤のような言葉でなければならない、というのが柳澤の辿りついた結論だった。(p.96)
「”すごい”アイデアを探し求めているのも事実ですが、むしろ”すごくない”アイデアをたくさん出すことに意味がある。一見バカバカしいようにすら見えるアイデアをたくさん出すうちに、みんながポジティブな気持ちになり、アイデアを出すこと自体を面白がるようになる。何だかわからないけれどここにいると何かが生まれそうだ、という雰囲気が社内全体に満ちることで、アイデアの連鎖が起こるのです」(p.76)
仲間といっても自分の選択に責任を負う者同士でない限り、本当の信頼関係は結べない。「他にもっといい相手がいるかもしれない」などと考えながらでは、うまくいくはずもない。(p.60)
カヤックの例を見ていると、日本のような成熟社会では、今後は「誰と一緒に働きたいか」ということが、起業のきっかけや就職先を決める大きな動機になるのでは、と思えてくる。(p.59)
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