Takashi Eguchi
ライブラリ 19 册 | 詳細レビュー 4 件 | 引用 17
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日本人はなぜ株で損するのか? (文春新書)
評価 : (3.0点)
野蛮人の図書室
評価 : (3.0点)

佐藤優さんの読書関連のお話には関心があるので、出るとつい手を伸ばしてしまいます。
が、本書は週刊プレイボーイに2008年10月から2010年3月まで連載されていたものが基本なので、ほぼ2年以上前の本ばかりというのが残念です。
章立てするくらいに重きを置いている「日本という国がわかる書籍」や「世界情勢がわかる書籍」というのは、この2年の間にもきっと増えているんじゃないかな、と思うと、出来るだけ新しいものを読みたいと思うのが人情かと。

それでも何冊か読みたいと思わされた本がありましたので、備忘的にご紹介しておきます。

1. 村山由佳『おいしいコーヒーのいれ方I キスまでの距離』

以前にも、佐藤優さんが書かれていた、綿矢りさ『夢を与える』の書評(佐藤優『功利主義者の読書術』)を読んで思ったのですが、佐藤優さんは、世間一般のイメージからは想像しにくいのですが、こういう小説の紹介がとても上手いです。
そして、この小説を『新共同訳 新訳聖書』と一緒に紹介するところに、佐藤さんの読書の幅というのが垣間見えるのです。

2. 冲方丁『天地明察』

「休みにこそ読むべき本」として紹介されているうちの1冊です。
もともと「読みたいな…」と思っていた本なので、ここは素直に年末年始の読書リストに加えておくことにしましょう。
なお、合わせて紹介されていた「休みにこそ読むべき本」のもう一冊は、ヘーゲル『歴史哲学講義』だったりします。。

3. 大城立裕『カクテル・パーティー』
4. 池上永一『テンペスト』

両方とも沖縄に関する書籍なので、沖縄行きの飛行機の中で読んでみたいですね。
まあ、『カクテル・パーティー』の方はそういう軽さではない本ではありますが。。
ちなみに、これまで沖縄行きの飛行機で読んだ中では、田村洋三『ざわわざわわの沖縄戦―サトウキビ畑の慟哭 (光人社NF文庫)』が結構良かったですよ。


佐藤さんの言を借りれば、僕らはみんな野蛮人なわけですけど、こうして読書を重ねていくことで、ちょっとは教養人に近づけているのかな…?


なんでコンテンツにカネを払うのさ? デジタル時代のぼくらの著作権入門
評価 : (3.5点)
プロフェッショナルを演じる仕事術 (PHPビジネス新書)
評価 : (3.5点)

僕らはどんな目的でビジネス書(自己啓発を含む)を読むのでしょう?
多くの場合、そこから何かを得たい、という目的やら意思やらを持っているのではないでしょうか。
それは、今目の前にある問題を解決するための何かかもしれないし、生活をもっと便利にするためのノウハウかもしれないし、長期的な成長を目指した何かかもしれません。

最近少しおとなしいようにも感じますが、数年前、勝間和代さんが一つのブームを作り出しました。
勝間和代さんをグルとして崇める人々を「カツマー」と呼んでいましたよね(今も呼ぶのかな?)。
しかし、カツマーから第二の勝間和代さんは生まれてはいません。

なぜでしょう?

「努力をすれば誰でも成功できる」という考え方自体が幻想なんだという主張もありますが、本書を読めば、また違った角度からその要因に思い当たることができます。
そして、もしなりたいのであれば、第二の勝間和代さんになるためのヒントもまた見えてくるでしょう。


最初に断っておきたいのですが、まず僕は第二の勝間和代さんになりたいという気持ちは持っていません。
誰かがその道を目指すことをお薦めしようとも止めようとも思っていません。
ただ、本書でこんな記述を見つけたときに、頭の中に勝間さんのことが浮かんだのです。

『どのプロフェッショナルから学ぶかを決めたら、その人を師匠としてすべてを受け入れる覚悟が必要です。すでに見てきたように、プロフェッショナルの能力は「行動フレームワーク」「思考フレームワーク」「精神フレームワーク」が統合されてでき上がっているために、「役に立ちそうな所だけマネしよう」と考えても、そんなに都合よくいきません。なぜなら"役に立ちそうな所"自体が素人には判断できないからです。(p.216)』

これ、多分「カツマー」と呼ばれる方々の多くがやろうとしてきたことなんじゃないかな。
勝間さんの情報収集術とか勉強法とかガジェットの使い方とか色々真似て。
著書には、なぜそうするのかということも書かれていたでしょうけれど、大部分の人は勝間さんの「行動フレームワーク」だけをなぞっていたのではないかと僕は思っています。

そもそも、勝間さんが成功(と呼ぶのかどうかは色々意見があるとは思いますが)したのは、何をやるかという方法よりも、端から見て極端で普通じゃないと思えるほどに徹底するという点によるのだと僕は思っているので、そこまで出来ない人は表面だけ真似ても勝間さんのレベルにはなれないはずなんです。
ここに書かれていますが、勝間さんに限らずプロフェッショナルと呼ばれる人たちというのは、そういう表に現れる「行動」の裏側にある、「思考」や「精神」こそがプロフェッショナルたる源となっているのです。
だからこそ本書は、大切なのは「思考フレームワーク」「精神フレームワーク」を身につける事であり、その為には真似て「演じる」ことが有効だと説いているわけです。


ただ、これは相当難しいことです。
最近の若い人には「これって何の意味があるんですか?」ということを口にする人が増えてきているように思います(もちろん、そういう人は昔からいたし、僕自身も言ったことがないわけじゃないですが)。
そういう疑問を発することが正しい場面もありますが、本書では、その人から学ぼうという場面に限っては間違っていると言います。

『プロフェッショナルから学ぶのが難しいのは、私たちが何かを理解するときに必要な「原因」と「結果」の因果関係が分からないからです。だからこそ最後はマネするしかない(p.205)』

僕が難しいなと思ったのは、そこまで師事・薫陶できる「プロフェッショナル」を見つけることです。
無条件で全てを真似て「演じる」対象を見つけることが出来るかどうか。
そのうえで、突き抜けた人たちを「演じ」きることが出来るかどうか。
(話題の『スティーブ・ジョブズ』を読みましたが、常人では、あの「精神フレームワーク」はとても到達できるとは思えませんね…)

それに加えて、大抵の人が持っているであろう「コンプレックス」とか「今ある自分を肯定する気持ち」を抑え込めるかどうかという点も、重要なポイントです。
この点は本書の中で再三にわたって登場します。

『「良薬は口に苦し」「忠言は耳に逆らう」と言いますが、自分にとって最も必要で、そして本質的な学びほど、なかなか素直に受け入れる事ができません。その事に気づかない限り、大切な学びのチャンスを逃してしまうのです。(p.6)
多くの場合、自分を成長させるヒントは「自分がその通りだ」と思っている事ではなく、自分では「それは間違っている」「それは納得できない」と思っている情報の中にあるのです。(p.73)
コンプレックスが強い人ほど、自分より優れたものや、自分が理解できない事に直面すると、そこから学ぼうとするより、否定しようとする気持ちが無意識に働いてしまうからです。(p.144)
「変わらない人」は、よい意味でも悪い意味でも、やや冷めた目で見ながら勉強を要領よくこなそうとします。そしてプライドが高いだけに、自分の考えとは違う価値観や自分より優れたものを簡単には受け入れようとはしません。(中略)このような「変われない人」がいる一方で、「変わる人」はどんな知識でもスポンジのように吸収します。「これは違う」「私ならそうしない」と思う事でも、一旦飲み込んで咀嚼しようとします。自分の方が正しいなら、"成功した人"より自分の方が成功していなければならないのに、現実は違うという事実をよく分かっているからです。(p.155)』

月並みな答えですが、結局のところ「演じる」というのは方法の一つであって、何かを学び、成長するために大切なのは、「素直さ」と「謙虚な気持ち」なんでしょうね。
対象となるプロフェッショナルを見つけるのが難しい…とか言って「演じる」ことをしてみようとしない僕には、この辺が不足しているのかもしれません。。(汗)


※ 本書は、R+(レビュープラス)様より、優先レビュアーとして献本いただきました。


政治家の殺し方
評価 : (3.0点)
シャーロック・ホームズの愉しみ方 (平凡社新書)
評価 : (3.0点)

初めてシャーロック・ホームズの名前に触れたのは、小学生の頃でした。
今ではあまり小説を読まなくなりましたが、社会人になってから買い求めた文庫版のシャーロック・ホームズは、今も本棚の中に収まっています。
何か、読み返したくなるような気がして処分できない種類の本なんですよね。

そんなシャーロック・ホームズを愉しめるのであれば、こんなに嬉しいことはないわけです。
さぁ、一体どんな愉しみ方を見せてくれるのでしょうか。


ご存じない方はいないと思いますが、シャーロック・ホームズはコナン・ドイルが創作した小説中の人物です。
それは僕にはほとんど動かし難い現実としか思えないのですが、例えば、2008年にイギリスのテレビ局が行った世論調査によれば、イギリス人の58%が「シャーロック・ホームズは実在人物だ」と思っているそうですし、世の中には、シャーロック・ホームズを実在人物として、学問的に研究する人たちも存在します(そのような人のことをシャーロキアンと言います)。

ふと、先日読んだタイラー・コーエンの『フレーミング 「自分の経済学」で幸福を切りとる』の帯表紙に掲載されていた宣伝文句を思い出しました。

「人は、バイアスがあるからこそ、自分にとって価値ある情報を選べる。これが「フレーミング」。情報の小さなピースを上手に集めて、頭の中に「自分だけの経済」をつくれば、複雑きわまりない世の中を、楽しく生きていける。
シャーロック・ホームズも、グレン・グールドも、アダム・スミスも、ウォーレン・バフェットも「フレーミング」の達人だった!?」

お気づきでしょうか。
シャーロック・ホームズ以外の「フレーミングの達人」はみんな明らかに実在の人物です。
ここに、シャーロック・ホームズが並んで違和感のないことといったら!
と、あたかもシャーロック・ホームズが実在すると考えることが不自然ではないような雰囲気になりかけていますが(なってない?)、本書は、何もシャーロキアンのように、ホームズを実在人物としてみるような「愉しみ方」を推奨しているわけではありません。
が、しかし、そのような捉え方をすることによって、小説の世界が現実に溶け出し、無限の愉しみを与えてくれることも、また事実でしょう。
(英米では実在人物と思っている人が多いので、そういう愉しみ方が盛んなんだそうです)

「本書では私もシャーロック・ホームズをあくまで真面目に扱った。彼のことを真面目に考えていると、不思議なことにまるで探偵本人が実在するような気がしてこないだろうか? そうすると自然に読み方も変わる。(P.263)」

実は僕も本書を読みながら、ここで書かれているような感覚を常に感じていました。

例えば、様々な記述から「実はワトソンは女性だった(!)」という説を展開している論文とか、ホームズがモリアーティ教授を滝壺に投げ落とした「バリツ」という日本式レスリング(と翻訳されている)とは一体何なのかを解き明かしてみたり。
それら一つひとつを解明していく中で、次第に現実と小説世界との境目が混然としてきます。
遂には、かの嘉納治五郎先生とホームズが会っていた可能性(!)などという話まで飛び出してきますから驚きますが、そこに何の飛躍も感じさせないのです。

そんな本書に、ホームズの世界から広がる愉しみの世界の入り口を垣間見たような気がします。
ただ、対象が知的で教養がありそうな雰囲気がする(実際、そうなんですけど)だけで、「オタク」に近い要素も感じざるもえませんでしたけど(汗)
(そうだとすると、潜在的にオタク願望のある僕が惹かれるのも分かる気がします。)

「しかしシャーロック・ホームズは別に研究すべきものではない。読んで愉しめばよいのだ。面白いことは請け合いである。(p.263)」

研究家の方がこう言っているのです。
肩肘張らずに「愉しみ」のために、またベイカー街221Bを訪ねてみることにしましょう。
そこから広がる世界に足を踏み入れるには、英語で読んだ方がいいみたいですけどね。


いかにして問題をとくか
評価 :(未評価)
旅ボン 沖縄編
評価 : (3.0点)

本来、こういう本は沖縄に行く前に読む方がよいのかもしれませんが、沖縄に行く機内で読みました。
帯にも「役立つ情報は少ないですが、たぶん面白いですよ。この旅行記マンガ」とありますが、まさに広告に偽りなしという感じ。
そもそも最近刊行されたはずなのに、取材時点が2007年ってところで「役立つ情報」としての期待値が大いに下がります(笑)

それでも、那覇の書店に行けば大抵平積みで置かれていますし、沖縄を知る、という意味においては有用な一冊であることは間違いないのでしょう。
県外の人間としては、普通に離島めぐりをしたくなりましたので、魅力も十分に伝わってきています。

沖縄行きの気分を高めつつ、楽しめる一冊でした!


フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
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