そうやって賢いフリをして、何が楽しいんですか。この国の大半の人たちはね、馬鹿を見ることを恐れて、何にもしないじゃないですか。馬鹿を見ることを死ぬほど恐れてる、馬鹿ばっかりですよ。
--出典: 砂漠 (新潮文庫)
いつなんどき、吹き流されてしまうかもしれない危険があるにもかかわらず、あるいはおそらく、その危険があるからこそ、ぼくたちは落ちこんだり、悲しんだりしてはいられないのだ。
--出典: ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮文庫)
「ここはよ、川の上流、スタート地点だろ。それがこの滝だ。ここは派手だし、人も多いじゃねえか。それってよ、俺たちが生まれた時と似てねえか? 俺たちも生まれた時はよ、こんなんだっただろ?お祭り騒ぎでさ、人にも注目されてよ。みんなに喜ばれて。でも、それがどんどん流れていくうちに、今見てきたみてえな、地味で、ゆらゆら流れているだけになっちまう。何か、似てねえか?」
--出典: 死神の精度 (文春文庫)
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