「学び」で組織は成長する (光文社新書)

著者
出版者
光文社
価格
¥735

評価・詳細レビュー

(5.0点)
オランダの婚姻はリベラルで、同性婚はもちろん、三人婚も認められています。
ちなみにオランダの婚外子の割合は40%。
ジョブシェアも当たり前ならば、専業主夫(男性が家事に専念)も普通。
ことの善し悪し、上手くいくかいかないかはどうでもよくて、
個人の自律に基礎付けられた社会制度には、見習うところも多い国だと個人的には思っています。
生き方の判断軸は自分にしかないということが当たり前になっている文化だからです。

さて、本題。
著者はそんなオランダで知った「ジョブ・シェアリング」を紹介しています。
ジョブ・シェアリングとは、同じ仕事を分担しあう仕組みなのですが、いいなって思ったのはそこではありません。

パートナー(夫婦)と教育の仕事をジョブ・シェアリングしている二人は、
教材開発と講師の仕事を週三日(水曜のみ二人とも出勤)ずつ共有しているそうです。
核家族世帯であっても、子育てに余裕が持てそうですね。

二人が自覚している仕事の共有がもたらした最大の効果は、
学びあいができる信頼関係の深化だったとふり返っています。
互いが一人で仕事していた時よりも、はるかに質の高い仕事ができるようになったそうです。

雇用主もそれを評価し、通常一人分の給与しか払わないのだそうですが、
1.5人分の給与を出しているとのこと。

ちなみに、夫婦関係が「共依存関係」であるかないかを判断する指標は
互いに成長する関係にあるかないかだそうです。

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引用

第二章 二人でできる学び
──信頼できる相手と学び合う
〈中途略〉
ゆっくり、あわてず、いい人間関係を築くことがいずれの方法に取り組む場合ににもポイントとだし、それが実現すると、相互のコミュニケーションと学び合いを通じて様々な問題解決や、予想もしなかった画期的なプロジェクトもつくり出されてしまう。しかし、そうした問題解決やプロジェクトを最初から目的にして取り組むよりは、あくまでも学びとコミュニケーションが生み出す副産物として位置づけておいた方が健康的で、予想もしなかった成果が逆にどんどん生まれてくるかもしれない。
(p.80)
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そもそもなぜ学ぶ必要があるのか?
大局的には、変化のスピードが加速度的に速まっているからである。それは特に、科学技術の高度化、情報化・グローバル化、少子高齢化、産業構造の変化等、社会・経済の分野で著しい。変化の遅い社会においては、同じことの繰り返しでも許されたが、確実なのは変化の速さだけといわれるような今の社会においては、その変化以上のスピードで学び続けないと、いろいろな意味で置き去りにされるだけである。(p.14)
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