本を読む本 (講談社学術文庫)
点検読書-読書の第二レベル
点検読書をしながら問うべきこと
1.それは、どんな種類の本か?
2.全体として何を言おうとしているか?
3.そのために著者は、どのような構成で概念や知識を展開しているのか?
意欲的読書への4つの質問
1.全体として何に関する本か?
2.何をどのように詳しく述べられているか?
3.その本は全体として真実か、あるいはどの部分が真実か?
4.それにはどんな意義があるのか?
分析読書の段階と規則
Ⅰ分析読書の第一段階 -何についての本であるか見分ける
(1)種類と主題によって本を分類する
(2)その本全体が何に関するものかを、できるだけ簡潔に述べる
(3)主要な部分を順序よく関連づけてあげ、その概要を述べる
(4)著者が解決しようとしている問題が何であるかを明らかにする
Ⅱ分析読書の第二段階 -内容を解釈する
(5)キー・ワードを見つけ、著者と折り合いをつける
(6)重要な文をみつけ著者の主要な命題を把握する
(7)一連の文の中に著者の論証を見つける。または、いくつかの文を取り出して、 論証を組み 立てる
(8)著者が解決した問題はどれで、解決していない問題はどれか、見極める。 未解決の問題に いては、解決に失敗したことを、著者が自覚しているか どうか見定める
Ⅲ分析読書の第三段階 -知識は伝達されたか
(9)「概略」と「解釈」を終えないうちは、批評にとりかかならいこと
「わかった」と言えるまでは、賛成、反対、判断保留の態度の表明 を差し控えること
(10)けんか腰の反論はよくない
(11)批評的な判断を下すには、十分な根拠をあげて、知識と単なる個人的な意見を、はっきり 区別すること
(12)著者が知識不足である点を、明らかにすること
(13)著者の知識に誤りがある点を、明らかにすること
(14)著者が論理性に欠ける点を、明らかにすること
(15)著者の分析や説明が不完全である点を、明らかにすること
本書は、1940年米国で刊行されて以来、世界各国で翻訳され読みつがれてきた。読むに値する良書とは何か、読書の本来の意味とは何かを考え、知的かつ実際的な読書の技術をわかりやすく解説している。初級読書に始まり、点検読書や分析読書をへて、最終レベルにいたるまでの具体的な方法を示し、読者を積極的な読書へと導く。単なる読書技術にとどまることなく、自らを高めるための最高の手引書。
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