プロデューサーズ―成功したプロジェクトのキーマンたち
以前、佐藤(可士和)が「言葉にできないからビジュアルにしてる」と言ったことがあります。ある意味正しいですが、考えがあってそこに至ったわけですから、必ず考えたことを言葉にできるはずなのです。私にしつこく聞かれて彼も苦しいと思いますが、それでも「納得するまで考える」しかありません。それを繰り返すうちにだんだん訓練ができて説明も理論的になってきますし、言葉にたどり着くまでの時間もかなり短縮できる様になってきます。 〜 佐藤悦子 P158
おしゃれでかわいいだけの絵本は、普遍的な世界観とかコンセプトがないから弱くて広がらない。それに対して「くまのがっこう」は普遍的でベーシックな世界観と「今」的なディティールとを組み合わせていて、そこが最大の武器ですね。〜 相原博之 P131
絵本のキャラクターは何十年もスタンダードで指示されていくものなので、最初に定番のポジションさえ作れれば、非常にローコストでリターンの大きいビジネスです。それに比べてアニメはオンエアするのに何億も投資し続けないといけないわけですから、常にハイリスクだと考えます。絵本やキャラクターの世界は、マーケティングとかブランディングといった考え方が希薄な業界なので、僕としては戦いやすかったということはありますね。〜 相原博之 P128
当時は週に2日か3日は糸井さんの事務所に通っていましたね。毎回新製品のコンセプトを導くための議論を徹底的にやりました。駆け出しのプランナーにとって糸井さんと議論をするというのは本当に大変なことで、最初はただただ話を聞くだけでしたが、そのうちに時々は、糸井さんがおもしろがってくれるような視点をぶつけることができるようになりました。
このプロジェクトは5年ぐらい続きましたが、ここで相当鍛えられましたね。糸井さんと話すために自分のコンセプトを磨く作業を毎日極限までしていましたから。なんとか鋭いことを言って糸井さんを「あっ」と言わせようと、いつも思っていましたしね。たいていは見透かされて討ち死にするんですけど(笑)。でも振り返ってみると、今自分の武器となっている時代のとらえ方やコンセプトの立ち上げ方は間違いなくこの時の糸井さんとの仕事の中で養われたものだと思います。 〜相原博之 P121
「くまのがっこう」では僕自身がストーリーを書いていますが、フレームを作って、その中にどのようにキャラクターや物語を配置すればいいのかという意識のほうが強い。絵本を作るのは初めてだったので、まずいろいろな絵本を読んでみましたが、絵がかわいいだけで世界観のフレームの弱いものが多いように感じました。絵本が単なる「作品」であれば、それでもいいのかもしれませんが、絵本をブランド化し、イベントや映像化などの横軸方向に幅広く展開するためには、強い世界観のフレームをどのように構築するかが重要になります。 〜 相原博之 P118
僕が最初にインタラクティブという言葉に出会ったのは、1990年頃だったと思います。カナダにインタラクティブエンターテインメントという会社があり、ものすごくよくできた体験型のアトラクションを作っていました。ディズニーランドのスターツアーズのように、宇宙旅行をするというものですが、乗り物に乗るまでに、自分の乗員登録をしたり、ボーディングパスをつくったり、センサーの着いた通路を通ると自分の身長が記載されたりする。本当に双方向体験というか、そこで自分がアクションすることに対して、エンターテインメントとしてフィードバックされる仕組みがすごくよくできていました。それ以来、僕が考えるインタラクティブは、大前提として「リアルな体験が伴ったもの」になったんです。」ウェブに限ったことではなく、広告という枠組みの中で、この「インタラクティブな経験」が、広告の新しい携帯としてものすごく効果的だろうなと考えてきました。 〜 内山光司 P112
(インタビュアー:)立山さんはマーケティングのプロですが、マーケティング関係の本はよくよく読まれますか?
あまり読みませんね。大事なのは事例を研究することで、事例を後でまとめた後付けの理論というのは参考になりません。先に理論があってそれが本当に実現したのならすごいと思うんですが、実際にそんな綺麗な話はなくて、やってみなくちゃわからない。
他の消費財メーカーや企業がさまざまな新商品にトライをして、その結果がどうだったのかを知ることが一番勉強になりますね。 〜 立山正之 P23
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