明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命

もう一つは、コミュニケーションについて責任をもつことである。自らの強み、仕事の仕方、価値観、果たすべき貢献を知ったらならば、それを誰かに知らせなければならないが、誰に頼らなければならないか、誰が自分に頼っているのかを考える必要がある。そして考えた結果を、それらの人たちに知らせる必要がある。もちろん、それらの人たちが理解できるかたちで伝えなければならない。
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一つには、人もまた自分と同じように、人であるという事実を受け入れることである。誰もが人として行動する。すなわち、それぞれの人が強みをもつということである。それぞれの仕事の仕方をもち、それぞれの価値観をもつということである。
したがって、自らが成果を上げるためには、共に働く人の強み、仕事の仕方、価値観を知らなければならない。これは当然のことのように思われる。しかし、このことを肝に銘じている者はほとんどいない。(p219)
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私は、日本が、終身雇用制によって実現してきた社会的な安定、コミュニティ、調和を維持しつつ、かつ、知識労働と知識労働者に必要な移動の自由を実現することを願っている。
これは、日本の社会とその調和のためだけではない。おそらくは、日本の解決が、他の国のモデルとなるであろうからである。なぜならば、いかなる国といえども、社会が真に機能するためには、絆が不可欠だからである。もちろんその暁には、日本は今日とはまったく違う姿となっているであろう。(p233)
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最も重要な二一世紀の現実は、破局的ともいうべき少子化の進行である。しかも、これは人類史上初めてのものである。
すでにヨーロッパと日本では、出生率が人口を維持できないところまで下がった。(p.49)
(1)今後二〇年から三〇年において、先進国では、人口構造をめぐる諸処の問題が政治の中心となる。当然それは喧々囂々たるものになる。
〈略〉
同じように、あるいはそれ以上に難しい問題が移民受け入れである。〈略〉
最も深刻なのが日本である。定年が早く、労働市場が硬直的であり、しかも大量移民を経験したことがない。〈略〉
(2)そのため、先進国では安定した政治も強力な政府も望みえなくなる。政治は不安定たらざるをえなくなる。
〈略〉
(3)そして、退職の意味が変わる。〈略〉高年者人口の重心が肉体労働者でなくなるに伴い、さらには知識労働者となっていくに伴い、加速してゆく。
このような状況のもとにあって、仕事と雇用に関して、特にイノベーションが必要とされているのがヨーロッパと日本である。
(4)あらゆる先進国において、働く人たちすべての生産性、とくに知識労働者の生産性を急速に向上させてなければならなくなる。さもなければ、いかなる国、いかなる組織といえども、その地位を失い、貧窮化への道をたどる。
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変化はコントロールできない。できることは、その先頭にたつことだけである。(p82)
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急激な構造変化の時代にあっては、生き残れるのは、自ら変革の担い手、チェンジ・リーダーとなる者だけである。(P82)
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財務上の観点だけから見ても、われわれはまったく新しい種類の問題に直面している。大切なことは、今日株主になった人たちが年金をもらう歳になるまでの三、四〇年を立派に経営することである。これはかなり実現の難しい目標であって、非現実的とさえいえる。企業の平均寿命、少なくとも繁栄する企業としての平均寿命は、かつて三〇年を越えたことがない。
したがって、われわれは経営の概念そのものを変える必要がある。もちろん、その評価の方法も変えなければならない。
しかも、知識労働者にとって意味があり、彼らのやる気を引き出すような、金銭とはかかわりのない成果についても明らかにしなければならない。非金銭的な見返りが必要とされている。
今やあらゆる組織が、自らにとっての成果の意味を徹底して検討する必要がある。成果とは、これまでは当然かつわかりやすいものだった。だが、もはやそうではない。組織としての経営戦略を、その成果についての新しい定義を前提として組み立て直さなければならなくなっている。(P69)
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これからの時代にあって、確実なものは五つある。いずれも、今日の経営戦略が前提としているものとは異なる。そもそも経済にかかわるものではない。社会と政治にかかわるものである。
それは、次の五つである。
(1) 先進国における少子化
(2) 支出配分の変化
(3) コーポレート・ガバナンスの変容
(4) グローバル競争の激化
(5) 政治の論理との乖離
(P48-49)
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二〇世紀の成長分野は、非営利の政府、自由業、医療、教育だった。この一〇〇年間、少なくとも第一次大戦以降、経済は、雇用主としても、生計の資としても、その地位を低下させてきた。予測しうるかぎりにおいて、二一世紀における先進国の成長分野が、経済活動の主たる担い手たる企業でないことは間違いない。
二一世紀の成長分野は非営利組織である。この部門こそ、今日マネジメントが最も必要とされ、かつ体系的な理論が直ちに大きな実りをもたらしうる分野である。(P8-9)
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動機づけ、とくに知識労働者の動機づけは、ボランティアの動機づけと同じである。周知のように、ボランティアは、まさに報酬を手にしないがゆえに、仕事そのものから満足を得なければならない。何にもまして、挑戦の機会を与えられなければならない。組織の使命を知り、それを最高のものと信じられなければならない。よりよい仕事のための訓練を受けられなければならない。成果を理解できなれらばならない。(P23)
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