(内容紹介より)地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。
--出典: ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)
(内容紹介より)この学校の花子さんは、音楽室から飛び降り自殺した少女の霊です。花子さんは階段に棲んでいて、一生懸命掃除すれば会うことができます。でも、彼女がくれる食べ物や飲み物えお口にしてはいけません。さもないとーー。おまじないや占い、夢中で話した「学校の七不思議」、おそるおそる試した「コックリさん」。青春ミステリの旗手・辻村深月の新境地!
--出典: ふちなしのかがみ (角川文庫)
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまりの心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に一度だけ。これはぼくの闘いだ。
--出典: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)
(内容紹介より)はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだーー「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。久美が感じた命の秘密とは。光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。
--出典: 沼地のある森を抜けて (新潮文庫)
(内容紹介より)長く付き合った男と別れた。だから私は作る。私だけのために、肉汁たっぷりのラムステーキを! 仕事で多忙の母親特製かぼちゃの宝蒸し、特効薬になった驚きのピザ、離婚回避のミートボールシチュウ――舌にも胃袋にも美味しい料理は、幸せを生み、人をつなぐ。レシピつき連作短編小説集。
--出典: 彼女のこんだて帖 (講談社文庫)
輝の大御神の双子の御子と闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれながら、光を愛する少女狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、〈大蛇の剣〉の主、稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く……。神々が地上を歩いていた古代の日本〈豊葦原〉を舞台に絢爛豪華に織り上げられた、日本ファンタジー最大の話題作、待望の文庫化!
--出典: 空色勾玉 (徳間文庫)
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから――「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか? 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。
--出典: 光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)
美しい王妃は侍女ツルの言葉によって、しだいに圧政者となり、人の道から外れてゆく。そして現代の小さな街に住む老女との関わりは? 時代はうねる。物語が生まれる。寓意が深まる。「わたしは、人の心にとり憑いて、わたしにとり憑かれるような心を持った人間を滅ぼしてやるの。人間を滅ぼすほど面白いことはないものね。え? 恐ろしいって? わたしのこと?」毒のあるファンタジー!
--出典: 十二の嘘と十二の真実 (徳間文庫)
(内容紹介より)祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にしてーー。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。
--出典: からくりからくさ (新潮文庫)
……布団から頭だけそろりと出して、床の間を見ると、掛け軸の中のサギが慌てて脇へ逃げ出す様子、いつの間にか掛け軸の中の風景は雨、その向こうからボートが一艘近づいてくる。漕ぎ手はまだ若い……高堂であった。近づいてきた。
――どうした高堂。
私は思わず声をかけた。
――逝ってしまったのではなかったのか。
――なに、雨に紛れて漕いできたのだ。
高堂は、こともなげに云う。
――会いに来てくれたんだな。
――そうだ、会いに来たのだ。しかし今日は時間があまりない。
高堂はボートの上から話し続ける。
――サルスベリのやつが、おまえに懸想をしている。
――どうした高堂。
私は思わず声をかけた。
――逝ってしまったのではなかったのか。
――なに、雨に紛れて漕いできたのだ。
高堂は、こともなげに云う。
――会いに来てくれたんだな。
――そうだ、会いに来たのだ。しかし今日は時間があまりない。
高堂はボートの上から話し続ける。
――サルスベリのやつが、おまえに懸想をしている。
--出典: 家守綺譚 (新潮文庫)
庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。
--出典: 家守綺譚 (新潮文庫)
「父さんは用心棒として当然の仕事をしただけだから、サドルは恩義を感じる必要はないって言いたかったんでしょう? だけど、それでもさ、気持ちってもんがあるじゃない。命も、大事な酒場も守ってもらったら、ありがとうって思うのが当然じゃない。」
そう言うと、ジグロはゆっくりとまばたきをした。
「それは、そうだ。」
「じゃ、どこが……。」
バルサが眉根をよせると、ジグロは静かな声で言った。
「――おれが、勘ちがいをしていると言ったのは、おまえの怒りのほうだ。
おまえがサドルに怒ったのは、人としての道理のことだけではなかろう。おれが、もっと報われてしかるべきだと、思ったからだろう。」
バルサは、ちょっと虚をつかれて、おしだまった。考えてみると、たしかにそうかもしれなかった。
ぼんやりと視線を天井にむけたまま、ジグロはつづけた。
「サドルに恩義なんぞ感じてもらわなくとも、おれはじゅうぶん報われている。」
かすかに眉根をよせて、バルサは、養父の静かな顔を見ていた。養父の言葉の意味は、わかるようで……わからなかった。
そう言うと、ジグロはゆっくりとまばたきをした。
「それは、そうだ。」
「じゃ、どこが……。」
バルサが眉根をよせると、ジグロは静かな声で言った。
「――おれが、勘ちがいをしていると言ったのは、おまえの怒りのほうだ。
おまえがサドルに怒ったのは、人としての道理のことだけではなかろう。おれが、もっと報われてしかるべきだと、思ったからだろう。」
バルサは、ちょっと虚をつかれて、おしだまった。考えてみると、たしかにそうかもしれなかった。
ぼんやりと視線を天井にむけたまま、ジグロはつづけた。
「サドルに恩義なんぞ感じてもらわなくとも、おれはじゅうぶん報われている。」
かすかに眉根をよせて、バルサは、養父の静かな顔を見ていた。養父の言葉の意味は、わかるようで……わからなかった。
ロタとカンバルがうごいた! 北の諸国のうねりを背に、瀕死の故国へ帰還するチャグムに父との対決の時が迫る。緒戦の犠牲となったタンダの行方を必死に探し求めるバルサ。大地が揺れ、天変地異が起こるとき、金の鳥が空を舞い、地を這う人々の群れは、ひたすらに生きのびようとする。――十年余りの時をかけて紡ぎだされた大河物語の最終章『天と地の守り人』三部作、ついに完結!
ずっと心の底に押し隠していたものが、暗い、その底の闇から頭をもたげていた。それを見てはいけないと、思い続けてきたのに。
チャグムは、ふるえながら息を吸い込んだ。
自分が選んだ道はまちがっていない――これが北の大陸のためにはもっともよい道なのだと思いたかった。けれど、ほんとうは……心の底では、そうなのだろうか、という迷いがある。自分がこの道を選んだために、もうすでに何人もの人の命を奪ってしまった。これから先は、もっと多くの人が死ぬことになる……。
同盟が成功したら、自分は、カンバルやロタの兵士たちを、新ヨゴへ導いていくことになるのだから。
(異国の兵たちに、新ヨゴ皇国のために戦え……と、敵の矢に、剣に、その身を晒せと、命じるんだ……)
そして、その戦の先に、父と向かいあわねばならない日がくる。
チャグムは、ふるえながら息を吸い込んだ。
自分が選んだ道はまちがっていない――これが北の大陸のためにはもっともよい道なのだと思いたかった。けれど、ほんとうは……心の底では、そうなのだろうか、という迷いがある。自分がこの道を選んだために、もうすでに何人もの人の命を奪ってしまった。これから先は、もっと多くの人が死ぬことになる……。
同盟が成功したら、自分は、カンバルやロタの兵士たちを、新ヨゴへ導いていくことになるのだから。
(異国の兵たちに、新ヨゴ皇国のために戦え……と、敵の矢に、剣に、その身を晒せと、命じるんだ……)
そして、その戦の先に、父と向かいあわねばならない日がくる。
再び共に旅することになったバルサとチャグム。かつてバルサに守られて生き延びた幼い少年は、苦難の中で、まぶしい脱皮を遂げていく。バルサの故郷カンバルの、美しくも厳しい自然。すでに王国の奥深くを蝕んでいた陰謀。そして、草兵として、最前線に駆り出されてしまったタンダが気づく異変の前兆――迫り来る危難のなか、道を切り拓こうとする彼らの運命は。狂瀾怒涛の第二部。
両側から腕をつかんでいる男たちの手に力が入った。男たちがバルサを押さえつけて、ひざまずかせようとした瞬間、バルサは、伸びあがるようにして男たちの力に抗い、つぎの瞬間、すっと自分から身体を沈めた。
とたん、男たちの身体が浮きあがり、もんどりをうって、にぶい音をたてて床に激突した。受身をとる隙をあたえない、鋭く低い投げだった。
男たちが床に叩きつけられたときには、バルサはもう、床を蹴って跳ねあがり、わずか三歩で机まで近づくと、四歩めで机に飛びのった。小男の頭上を一回転して飛びこえると、後ろから、小男の首と頭をかかえるように押さえこみ、机を蹴りとばした。
はでな音をたてて、机が床にたおれ、小男がいじっていた短刀が、にぶい音を立てて敷物の上ではねた。
剣を抜きはなった壁際の用心棒に、バルサは怒鳴った。
「動くんじゃない」
主人のあごの下にがっちりと決まっているバルサの腕の形を見て、用心棒は動けなくなった。そのままバルサが頭をかかえている手をひねれば、一瞬で主人の首が折れる。
とたん、男たちの身体が浮きあがり、もんどりをうって、にぶい音をたてて床に激突した。受身をとる隙をあたえない、鋭く低い投げだった。
男たちが床に叩きつけられたときには、バルサはもう、床を蹴って跳ねあがり、わずか三歩で机まで近づくと、四歩めで机に飛びのった。小男の頭上を一回転して飛びこえると、後ろから、小男の首と頭をかかえるように押さえこみ、机を蹴りとばした。
はでな音をたてて、机が床にたおれ、小男がいじっていた短刀が、にぶい音を立てて敷物の上ではねた。
剣を抜きはなった壁際の用心棒に、バルサは怒鳴った。
「動くんじゃない」
主人のあごの下にがっちりと決まっているバルサの腕の形を見て、用心棒は動けなくなった。そのままバルサが頭をかかえている手をひねれば、一瞬で主人の首が折れる。
--出典: 天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)
大海原に身を投じたチャグム皇子を探して欲しい――密かな依頼を受けてバルサはかすかな手がかりを追ってチャグムを探す困難な旅へ乗り出していく。刻一刻と迫るタルシュ帝国による侵略の波、ロタ王国の内側に潜む陰謀の影。そして、ゆるやかに巡り来る異界ナユグの春。懸命に探索を続けるバルサは、チャグムを見つけることが出来るのか……。大河物語最終章三部作、いよいよ開幕!
--出典: 天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)
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最近本も漫画もあんまり新規開拓していない。小説は気づけばファンタジーばかり読んでいる。お勧め小説あったら教えてください(好き嫌い激しいけど)
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